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宅建士とはどんな資格?
仕事内容や活躍できる業界について解説!

就職・転職などで取得していると有利になると言われる資格は色々ありますが、その1つに宅建士があります。名称から不動産業への就職・転職で活かせる資格というイメージを持っている人が多いかもしれませんが、具体的にどんな仕事をするのか、不動産業以外の就職・転職でも活かすことができるのか、よく分からないという人は多いかもしれません。

今回は宅建士の仕事内容や資格を取得するメリット・資格が活かせる業界について、ご紹介いたします。

目次

  • 宅建士の仕事内容
  • 契約前に重要事項を説明する
  • 重要事項説明書への記名
  • 契約書への記名
  • 不動産業での営業等の業務
  • 宅建士を取得するメリット
  • 就職・転職で有利になる
  • 資格手当がもらえる
  • 国家資格の中では合格率が高い
  • マイホーム購入時に知識が活かせる
  • 宅建士資格の知識が他の資格取得に活かせる

宅建士とは

宅建士(宅建)とは?

宅建士(宅建)の正式名称は「宅地建物取引士」で、公正な不動産取引を行うことを目的に作られた国家資格で、有資格者を宅建士と呼ぶのが一般的です。
では、宅建士になるにはどうすれば良いのでしょうか。

宅建士になるには

毎年10月に行われる宅建試験合格だけでは宅建士の業務を行うことはできません。合格後に宅建士として登録し、宅地建物取引士証の交付を受けることで、正式に宅建士としての資格を取得したことになります。

宅建士の登録には宅地建物取引の実務経験が2年以上なくてはなりません。この実務経験がない場合には宅建士の「登録実務講習」を受講することで登録できるようになります。

日建学院の「宅建実務講習」

宅建の難易度

宅建試験の難易度について解説します。

直近5年間の受験者数・合格者数・合格率は以下のようになります。

年度 受験者数 合格者数 合格率
2020年10月 168,989人 29,728人 17.6%
2020年12月 35,261人 4,610人 13.1%
2021年10月 209,749人 37,579人 17.9%
2021年12月 24,965人 3,892人 15.6%
2022年 226,048人 38,525人 17.0%
2023年 233,276人 40,025人 17.2%
2024年 241,436人 44,992人 18.6%

また、同じ期間の男女別の合格率は、以下のようになります。

年度 男性 女性
2020年10月 16.7% 19.5%
2020年12月 12.3% 14.7%
2021年10月 17.2% 19.1%
2021年12月 15.0% 16.8%
2022年 16.6% 17.9%
2023年 16.5% 18.3%
2024年 17.8% 20.1%
平均 16.0% 18.1%

年度によってバラツキはあるものの、平均すると男女ともに合格率が20%を切っており、宅建は難易度の高い試験であることが分かります。

宅建士の将来性

宅建士の仕事(不動産取引)は景気に左右されるので、好景気になれば仕事が増え、不景気になると仕事が減る傾向があります。しかし、不動産取引は景気によって件数の増減はあっても無くなることはありません。
不動産取引に関する契約は扱う金額が大きいために、法律でいろいろと制限されています。宅建士は消費者との知識・情報格差を是正して公正な不動産取引を行うために存在するので、宅建士は今後も欠かせない存在として将来性が十分にあると言えます。

宅建士の仕事内容

宅建士の詳細な仕事内容と、宅建士にしか認められていない独占業務について解説します。

契約前に重要事項を説明する

不動産の売買・賃借契約時に重要事項について説明を行えるのは、宅建士にしか認められていない独占業務です。宅建士であることを証明する資格証の提示を行った上で重要事項説明書を交付し、不動産関連の契約に関する様々なメリットやデメリットを、相手にも分かりやすく説明をしなくてはいけません。相手が説明を求めなくても宅建士には説明する義務があるので、原則として説明を省くことはできません。

不動産契約は金額が大きくなりやすいので、後になって「話が違う」「聞いてない」と、トラブルにならないよう宅建士が契約を結ぶ前に説明を行い、双方納得の上で契約を結ぶことが重要になります。

重要事項説明書への記名

不動産契約を行う相手に重要事項を説明するために重要事項説明書の作成を行いますが、この重要事項説明書への記名も宅建士にしか認められていない独占業務になります。

重要事項説明書には、重要事項の説明を受けた相手が契約をするか否かの意思決定を行ったことを証明する項目があります。この説明書への記名をすることで宅建士から説明を受けた内容と重要事項説明書の内容に相違がないことを証明することになります。

契約書への記名

重要事項の説明と重要事項説明書への記名の他に、不動産契約に関する契約書を作成しますが、契約書への記名も宅建士にしか認められていない独占業務です。

契約書の内容に問題がないか宅建士が確認を行った上で、問題が認められなければ契約書に記名して契約完了となります。宅建士が記名した契約書は不動産会社が契約相手に速やかに交付する義務があります。契約書と重要事項説明書の相違点は、宅建士の説明義務の有無です。

不動産業での営業等の業務

独占業務だけでなく、宅建士は専門知識を活かした業務も行います。

不動産会社に勤務していれば、お客様が希望する物件を紹介する営業職として業務に従事することが多くなります。また、不動産に関する豊富な知識を活かして、物件を有効活用するためのコンサルティング業務や不動産物件を持つオーナーから、管理を任されることもあります。

また、物件等の広告を行う際、断定的な表現・誇大表現は禁止されており、違反内容によっては業務停止などの処分が科されることがあります。このような違反が起こらないように宅建士として身に付けた知識を活かして、適切な表現で広告活動が行われているかといった確認も行います。

宅建士を取得するメリット

宅建士を取得するメリットについて、説明します。

就職・転職で有利になる

1つ目のメリットは就職や転職で有利になることです。宅建士には資格保有者しかできない独占業務があるので、不動産業界への就職・転職で有利になります。また、不動産業を行うには、各事務所の5人に1人以上の割合で宅建士の設置が義務付けられているので、宅建士の有資格者は会社にとって有益な人材として採用される可能性が高くなります。

資格手当がもらえる

2つ目のメリットは、宅建士にしかできない独占業務があるので、ほとんどの企業で資格手当の対象となりやすいことです。資格手当の金額は企業によって異なりますが、5,000円~30,000円の間が多く、その平均額は20,000円と言われています。

宅建士の人数が少ない企業だと資格手当の支給だけでなく、基本給が上がる可能性もあります。

国家資格の中では合格率が高い

3つ目のメリットは、不動産関係の国家資格の中で宅建試験は合格率が高いことです。
直近5年間の平均合格率が16.7%で、合格率が高いと言われると驚くかもしれませんが、例えば、マンション管理士の合格率は10%前後、不動産鑑定士は5%前後とどちらの資格も宅建の半分以下の合格率の難関資格です。

宅建士が簡単な資格とは言いませんが、マンション管理士・不動産鑑定士と比べれば、取得しやすい資格と言えます。

マイホーム購入時に知識が活かせる

マイホームを購入する際に宅建士の知識を活かすことができます。不動産に関する知識がなく購入すると、後に大きなトラブルに発展することがあります。

宅建士は不動産に関する知識を活かして、不動産の価値・契約手数料は適正か・住宅ローンは無理なく返済できるか、などを判断することができるので一生に一度のマイホーム購入での失敗を回避することができます。

宅建士資格の知識が他の資格取得に活かせる

5つ目のメリットは、宅建士としての知識が他の資格取得で活かせることです。

先ほど、ご紹介した宅建士と同じ不動産関連資格のマンション管理士や不動産鑑定士の取得を目指す際、宅建士の知識があることでゼロから勉強するよりも効率よく勉強することができます。複数の資格があれば、将来の選択肢を広げることができます。知識を活かした資格取得を目指してみましょう。

宅建士とは

宅建士の資格を活かせる業界

宅建士の資格を活かして働ける業界をご紹介します。

不動産業

不動産業は宅建士にしかできない重要事項説明など独占業務があるので、多くの宅建士が働いています。

不動産会社で働くことが多かった宅建士ですが、近年は自社で作った建物を販売する建築会社やハウスメーカーに就職・転職することが増えています。宅建士による重要事項の説明や重要事項説明書の記名は建築会社・ハウスメーカーでも必要となるため、宅建士の有資格者が求められているためです。

金融業

不動産を担保に融資を行う銀行や信用金庫といった金融機関も、宅建士の資格を活かして活躍できる業界の1つです。担保となる不動産の価値がどのくらいなのか判断するには、不動産に関する知識を持つ人材でなければできません。

宅建士には不動産価値を評価する知識があるので、この知識を基に担保価値の確認や資産運用・管理を行うため銀行や信用金庫、もしくは子会社や関連会社で働く宅建士は少なくありません。

保険業

保険業も宅建士の資格が活かせる業界です。
顧客から、マイホーム購入のための資金計画や住宅ローンの相談を受けた際に宅建士の知識を活かすことができます。他に不動産を担保に融資を行う金融機関の紹介でも知識が活かせます。

宅建士の資格だけでも保険業界で働くことはできますが、ファイナンシャルプランナーの資格を取得すると活躍の幅が広がるので、保険業界への就職・転職を考えるのであればダブルライセンスを検討してみましょう。

不動産を所有している一般企業

業界に関係なく不動産を所有している企業は珍しくありません。不動産を所有する企業では、不動産の適切な運用・管理を行うために不動産に関する専門的な知識を持つ宅建士を採用することがあります。

不動産の運用・管理次第で、利益と損失どちらも生み出す可能性があります。特に不動産は、経営に直結するような影響を与えかねないので責任は重大です。その分、やりがいはあるでしょうが不動産に関する知識だけでなく、経験も重要となるでしょう。

まとめ

宅建士は様々な業界で活躍できて、キャリアアップ・収入アップも目指せるので、是非、資格取得を目指してみましょう。

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