宅建士の年収はどのくらい?
年代別の年収や収入を上げる方法についても解説!
宅建士を目指そうと考えた時、試験の難易度を調べるのも重要ですが、年収についても調べておきましょう。資格は取得して終わりではありません。どのくらいの収入を期待できるのかも確認しておかないと、せっかく取得したのに期待していた収入が得られず、将来設計に影響が出る恐れがあります。
今回は宅建士の年収について解説いたします。宅建士の年代別・男女別・地域別の平均年収や資格手当の金額、年収を上げる方法についてもご紹介いたします。
目次
- 宅建士の平均年収
- ■平均年収は500万円前後
- ■年代別平均年収
- ■男女別の平均年収
- ■地域別平均年収
- 宅建士の収入の特徴
- ■景気の影響が大きい
- ■地域によって収入に大きな差がある
- ■成果が収入に直結しやすい
- 宅建士の資格手当の金額
- ■資格手当が高いのは不動産業
- 宅建士が年収を上げるには
- ■昇進する
- ■成果を出して歩合で稼ぐ
- ■独立を目指す
- ■宅建士の業務に関連した資格を取得する
- 宅建士になるには
- ■勉強時間の目安
- ■効果的な勉強方法
宅建士の平均年収
宅建士の年収を年代別・男女別・地域別に紹介いたします。
平均年収は500万円前後
宅建士の平均年収は500万円前後、400万円~600万円が年収のボリュームゾーンとなります。働きぶりによっては年収1,000万円を超える人もいれば、300万円台の人もいます。
2024年(令和6年)の最新の調査によると、国内平均年収は約420万円と言われており、宅建士の平均年収は国内平均年収を15%ほど上回っているため、平均より高い年収が期待できる資格と言うことができます。
年代別平均年収
宅建士の年代別平均年収をまとめました。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20代 | 300万円~400万円 |
30代 | 410万円~520万円 |
40代 | 490万円~610万円 |
50代 | 580万円~680万円 |
50代は働き方のコツが分かっているので成果が出しやすく、役職に就くことも多い年代なので年収も高くなります。
後ほど、ご説明しますが宅建士は成果が収入に直結しやすいので、20代~30代でも成果を出すことで上記の表以上の年収を得ることが可能です。
男女別の平均年収
男女別の平均年収は以下のようになります。
性別 | 平均年収 |
---|---|
男性 | 430万円~560万円 |
女性 | 340万円~480万円 |
男女の年収差はライフイベントの影響があります。女性は出産・育児で退職や休職することが多く、復職後は非正規雇用で働くことも多いので、キャリアが途切れやすくなります。反対に男性はライフイベントの影響が小さく、女性よりもキャリアが積み重ねやすいため、男女間の収入差が生じやすくなっています。
地域別平均年収
主な地域の宅建士の平均年収は、以下のようになります。
都道府県 | 平均年収 |
---|---|
東京都 | 約700万円 |
大阪府 | 約650万円 |
愛知県 | 約600万円 |
沖縄県 | 約430万円 |
青森県・宮崎県の宅建士の平均年収も沖縄県と同じ約430万円くらいです。同じ宅建士でも、東京都と沖縄県では約270万円の年収差があります。ただし、沖縄県の平均年収は約370万円なので、県の平均年収で考えると宅建士の年収は高いと言えるでしょう。
宅建士の収入の特徴
宅建士の収入には共通点があります。
景気の影響が大きい
宅建士は不動産業界で働くことが多くなりますが、不動産業界は景気の影響を受けやすい業界です。
景気が良ければマイホーム需要や、企業・投資家による投資目的で物件が売買されることが多くなるので、収入も上がりやすくなります。反対に不景気になると、売買の動きが小さくなるので業界全体の収益が低下して、宅建士の収入も落ち込みやすくなります。
しかし、不動産業界は不景気でも一定の需要が存在します。宅建士の資格があれば、働き先がなくなるということはないので安定性は高いと言えます。
地域によって収入に大きな差がある
不動産は人口が少ない地方よりも、人口が多い都市部ほど取引件数・単価が高くなるので、宅建士の収入も高くなります。
地域別平均年収でご紹介したように、東京都の宅建士は約700万円、沖縄県や青森県など地方の宅建士は約430万円と、年収に270万円もの差があります。同じ資格でここまで年収に差があれば、都市部で働いた方が稼ぐことができます。しかし、地方でも再開発によって人の動きが活発な地域では、宅建士の需要と収入アップの両方が期待できます。このような地域を狙えばライバルが多い都市部よりも、安定して稼ぐことができます。
成果が収入に直結しやすい
宅建士の給与は多くの場合、基本給+成果に応じた歩合で構成されています。基本給と各種手当で給与が構成されている一般的なサラリーマンと比べて、宅建士は成果が収入に直結しやすくなっています。
成果が出せなければ基本給のみという可能性もありますが、取引を成立させた物件の金額が大きいほど、歩合の収入も大きくなります。収入アップを重視するなら歩合の割合が大きい企業への入社を目指し、逆に安定を重視するなら、宅建士でも固定給のみという企業もあるので、そのような企業の入社を目指すのも良いでしょう。
宅建士の資格手当の金額
宅建士の資格は、ほとんどの企業で資格手当の対象となります。資格手当の金額は企業によって異なりますが、5,000円~30,000円が支給額の相場と言われています。資格手当は、性別や勤続年数に関係なく一律で支給されます。
ただし、資格手当が支給されるのは、その企業で宅建士資格が有用な場合です。
宅建士資格がなくても業務が可能な場合や、宅建士の必要人数が満たされている場合などは支給されない場合もあります。資格手当の有無と支給額は、入社前に確認しておくようにしましょう。
資格手当が高いのは不動産業
不動産業界は宅建士の資格手当支給額が高い業界です。不動産業を営むには1事務所につき5人に1人の割合で宅建士の配置義務があり、不動産取引における重要事項説明などは宅建士にしかできない独占業務となるため、宅建士は欠かせません。
そのため、資格手当の支給額は他の業界より高めになります。ただし、不動産業界の企業でも業種によっては宅建士の有用性が低いことがあります。場合によっては資格手当の支給額が低い・ないこともあるので必ず確認をしましょう。
宅建士が年収を上げるには
宅建士が年収を上げる方法について解説します。
昇進する
宅建士に限りませんが、昇進することで年収アップを目指すことができます。昇進すれば基本給の昇給だけでなく、役職手当も支給されます。大手企業であれば年収1,000万円を目指すことも不可能ではありません。ただし、昇進するにはコンスタントに成果を出すことと年単位の時間が必要です。同じ企業に長く勤める気であれば、時間をかけて年収を上げていきましょう。
成果を出して歩合で稼ぐ
上記でご説明したように、宅建士の給与は基本給と歩合で構成されていることが多いので、成果を出して歩合で稼いでいく方法があります。歩合率は3%~20%と企業によって様々です。企業側が受け取る仲介手数料が100万円だった場合、歩合率が3%と20%では受け取る金額には17万円もの差があります。成果を出すことで収入アップを目指すなら歩合率が高い企業を調べて、その企業への入社を目指しましょう。
独立を目指す
独立すれば、取引を成立した際の仲介手数料を全て収入にすることができます。営業スキルに自信があるなら、サラリーマン時代を超える年収も不可能ではありません。しかし、独立には営業スキルだけでなく、経営者としてのスキルや人脈も必要になります。開業資金や事務所の家賃・光熱費などの維持費も必要なので、少なくとも毎月、自身の生活費と維持費を捻出できるだけの収入を確保しなければいけません。独立するのであれば、人脈や維持費など慎重に検討してからにしましょう。
宅建士の業務に関連した資格を取得する
宅建士の業務に活かせる他の資格を取得するのも収入アップにつながります。
宅建士と相性が良く、知識が活かせる資格にマンション管理士と不動産鑑定士があります。どちらも宅建士よりも試験の難易度は高いものの、宅建士の知識を受験勉強で活かすことができます。また、ファイナンシャルプランナーも試験内容の一部に宅建士の知識が活かせます。どの資格も取得できれば社内評価が高まります。昇給・資格手当の支給など収入アップを期待できるので取得を検討してみるのも良いでしょう。
宅建士になるには
宅建士になるには年に1度、実施される宅建試験に合格しなければいけません。
しかし、宅建試験は直近5年間の平均合格率が16.7%と低いため、入念な受験対策が必要となります。ここからは宅建試験合格に必要な勉強時間や効率的な勉強方法について、解説します。
勉強時間の目安
宅建試験合格を目指すために必要な勉強時間は、知識量や実務経験の有無などでも異なりますが、受験する年の1年間で300時間から350時間が目安と言われています。
300時間の勉強時間を例にすると、1日1時間で300日、2時間で150日、3時間で100日が必要になります。しかし、300日では勉強期間が長すぎて、モチベーションの維持が難しくなり、1日3時間では毎日の勉強時間の確保が難しくなります。仕事など様々なことを考慮した上で自分に合う勉強期間を設定すれば問題ありませんが、1日の勉強時間を考えると、1日2時間で150日間の5か月~6か月を勉強期間と設定すると、無理なく勉強することができるでしょう。
効果的な勉強方法
勉強方法として最初に挙げられるのは独学です。
テキストと過去問集があれば勉強できるので、費用を抑えて自分のペースで勉強することができます。しかし、独学は分からない問題にぶつかると、そこで勉強が止まってしまう恐れがあります。また、モチベーションの維持が難しい勉強法でもあります。独学で宅建試験に合格するには、自己管理が確実にできる方が向いているでしょう。
他の勉強法としてはスクールなどの資格学校を利用する方法が挙げられます。
資格学校には講師から直接学べるという大きなメリットがあります。分からない部分や理解できない部分は、質問すればすぐに解決できるので学習効率が高まります。また、同じ目的を持つ受講生と勉強するのでモチベーションを維持することもできます。費用はかかりますがそれに見合う高い学習効果が期待できるので、宅建士のような合格率が低い試験で確実に合格を目指すには、資格学校は最適な勉強方法と言えます。
まとめ
宅建士は成果次第で年収1,000万円や独立を目指すこともできますが、そのためには、まず試験に合格しなければいけません。
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