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【2025年度最新】重要事項説明書(35条書面)とは?
覚え方のコツや語呂合わせについて解説!

宅建試験で毎年複数問出題される「重要事項説明書(35条書面)」。この重要事項説明書(35条書面)について、どうやって対策すれば良い?分かりやすく説明して、という方も多いと思います。

本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を

  • ・重要事項説明書(35条書面)の概要と記載事項
  • ・重要事項説明書(35条書面)と37条書面の違い
  • ・重要事項説明書(35条書面)の覚え方のコツ
  • ・重要事項説明書(35条書面)の語呂合わせの覚え方

の順番に解説していきます。

2024年度も重要事項説明書(35条書面)に関して3問出題されました。2025年度の宅建試験合格に必要な知識を身につけたい人には役立つ記事になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  • 重要事項説明書(35条書面)の記載事項とは?一覧
  • ①物件に関する権利関係の明示
  • ②物件に関する権利制限の内容の明示
  • ③物件の属性の明示
  • ④取引条件(契約上の権利義務関係)の明示
  • ⑤取引に当たって宅地建物取引業者が講じる措置
  • ⑥区分所有建物の場合はさらに次の事項

宅建士とは

重要事項説明書(35条書面)とは

重要事項説明書(35条書面)とは、不動産取引において、宅地建物取引業者が契約前に権利取得者に提供する説明情報を記載した文書のことです。

宅地建物取引業法第35条に基づいて作成されるため、このように呼ばれます。また、法改正により、重要事項説明書(35条書面)の電磁的方法による交付や、ITを活用した重要事項説明(IT重説)も認められるようになりました。

宅地建物取引業者は、契約前に権利取得者に交付し、取引内容や注意点を正確に理解できるよう説明する義務があります。そのため、重要事項説明書(35条書面)は、契約前に不動産取引の透明性と信頼性を確保し、トラブルを未然に防ぐために重要な役割を果たします。

重要事項の説明時期・方法とは

重要事項の説明を行う時期や方法などを、以下に一覧でまとめました。整理しながら覚えましょう。

説明
時期
契約を締結する前
説明
義務者
宅建業者宅建士に説明させる
相手方 売買の買主・交換の当事者・貸借の借主
説明
方法
相手方が宅建業者以外 ・書面の作成、交付(宅建士の記名が必要)
・宅建士による説明が必要(宅建士証の提示義務アリ
相手方が宅建業者 ・書面の作成、交付(宅建士の記名が必要)
・宅建士による説明は不要(宅建士証の提示義務ナシ
説明
場所
特に制限なし

重要事項の説明義務は宅建業者が負い、説明の担当者は宅建士になります。なお、説明する相手方が宅建業者である場合、重要事項説明書(35条書面)の交付は必要ですが、重要事項の説明は省略することが出来ます。

重要事項説明書(35条書面)の記載事項とは?一覧

重要事項説明書(35条書面)に記載する重要事項は、主に「物件情報に関する事項」と「取引条件に関する事項」に分けられます。さらに、「宅地の売買」「宅地の貸借」「建物の売買」「建物の貸借」により、記載事項が異なります。

それぞれについて以下に一覧でまとめました。

①物件に関する権利関係の明示

記載事項(説明すべき重要事項) 宅地
売買
宅地
貸借
建物
売買
建物
貸借
登記された権利の種類、内容等
私道に関する負担 ×

②物件に関する権利制限の内容の明示

記載事項(説明すべき重要事項) 宅地
売買
宅地
貸借
建物
売買
建物
貸借
都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限の概要 ×
用途その他の利用に係る制限に関する事項 × ×

③物件の属性の明示

記載事項(説明すべき重要事項) 宅地
売買
宅地
貸借
建物
売買
建物
貸借
飲用水・電気・ガスの供給・排水施設の整備状況又はその見通し
宅地造成又は建物建築の工事完了時における形状、構造等(未完成物件のとき)
当該宅地建物が造成宅地防災区域内か否か
当該宅地建物が土砂災害警戒区域内か否か
当該宅地建物が津波災害警戒区域内か否か
石綿(アスベスト)使用調査結果の内容 × ×
耐震診断の内容 × ×
住宅性能評価を受けた新築住宅である場合(住宅性能評価書の交付の有無) × × ×
台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況 × × ×

④取引条件(契約上の権利義務関係)の明示

記載事項(説明すべき重要事項) 宅地
売買
宅地
貸借
建物
売買
建物
貸借
代金、交換差金以外に授受される金額及びその目的
契約の解除に関する事項
損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
契約期間及び契約の更新に係る事項 × ×
敷金等契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項 × ×
契約終了時における建物の取壊しに関する事項 × × ×

⑤取引に当たって宅地建物取引業者が講じる措置

記載事項(説明すべき重要事項) 宅地
売買
宅地
貸借
建物
売買
建物
貸借
手付金等の保全措置の概要(業者が自ら売主の場合) × ×
支払金又は預り金の保全措置の概要
金銭の貸借のあっせん × ×
契約不適合責任の履行に関して講ずる措置の内容 × ×

⑥区分所有建物の場合はさらに次の事項

  • ・敷地に関する権利の種類及び内容
  • ・共用部分に関する規約等の定め
  • ・専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約等の定め
  • ・専用使用権に関する規約等の定め
  • ・所有者が負担すべき費用を特定の者にのみ減免する旨の規約等の定め
  • ・修繕積立金等に関する規約等の定め
  • ・通常の管理費用の額
  • ・マンション管理の委託先
  • ・建物の維持修繕の実施状況の記録

いかがでしょうか。量が多く複雑に感じるかもしれませんが、何度も見て整理し、過去問題などの問題と付け合わせしながら覚えていきましょう。

\\本試験問題にチャレンジ//

令和6年度宅建試験 第41問 重要事項の説明
<正答率71.2% ※日建学院調べ>

宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。

ア 中古マンションの一室の売買の媒介を行う場合、抵当権が設定されていても、契約日までにその登記が抹消される予定であるときは、当該抵当権の内容について説明しなくてもよい。

イ 宅地の貸借の媒介を行う場合、借地権の存続期間を50年とする賃貸借契約において、当該契約終了時における当該宅地の上の建物の取壊しに関する事項を定めようとするときは、その内容を説明しなければならない。

ウ 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が住宅の品質確保の促進等に関する法律第5条第1項に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨を説明しなければならない。

エ 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条の規定に基づく急傾斜地崩壊危険区域内にあることは説明しなければならないが、当該区域内における行為の制限の概要については説明しなくてもよい。

------------------------
ア:誤り 抹消予定の抵当権についても、説明する。
イ:正しい 宅地の貸借→契約終了時の宅地上の建物の取壊しに関する事項は、説明必要。
ウ:誤り 建物の貸借→住宅性能評価を受けた新築住宅は、説明不要。
エ:誤り 急傾斜地崩壊危険区域内における行為の制限の概要は、説明必要。
------------------------

37条書面との違いは?

重要事項説明書(35条書面)と37条書面は、それぞれ異なる役割を果たします。

重要事項説明書(35条書面)と37条書面の目的や記載事項などの違いを以下に一覧でまとめました。

  重要事項説明書(35条書面) 37条書面
目的 契約前の重要事項説明 契約書面の作成・交付
記載
事項
不動産取引に関わる重要な情報(物件の概要、権利関係、契約条件など) 契約内容の詳細(インスペクション、支払い、引渡し、登記、危険負担、租税公課など)
交付と
説明
宅地建物取引士が説明し、契約成立前に交付 業者が作成・交付し、契約成立後、遅滞なく交付
説明
義務
あり(宅地建物取引士が行う) なし(従業者でも交付できる)

重要事項説明書(35条書面)と37条書面の大きな違いは、その交付が契約の前に行われるか、後に行われるかにあります。

重要事項説明書(35条書面)は、登記された権利の種類、私道に関する負担など、不動産取引に関わる重要な情報の説明に重点を置いており、権利取得者が正確な情報を持って取引に臨むことを目的としています。

一方、37条書面は、契約書面の作成や交付に関する規定を含み、具体的な契約条件を記載することで、契約成立後のトラブルを防止することが目的です。

宅建士とは

重要事項説明書(35条書面)の覚え方のコツ

重要事項説明書(35条書面)が覚えられない際に試したい覚え方のコツを紹介します。

テキストを繰り返し読み込み過去問を解く

最新の法改正に対応したテキストを繰り返し読み込むことが重要事項説明書(35条書面)を覚えるための近道です。テキストを繰り返し読むことで、重要事項説明書(35条書面)の全体像を把握でき、覚えづらい点や理解できない点をはっきりさせることができます。

テキストの読み込みと合わせ、過去問題も解きましょう。過去問を解くことで、記憶の定着を図るとともに、試験の傾向を掴むこともできます。そのうえで、過去問題を自分の言葉で解説したり、実際のケーススタディを想定した説明をしたりしてみましょう。

根拠を意識する

意外に見落とされてしまいますが、重要事項説明書(35条書面)を学ぶ際には、その背後にある根拠や理由を理解することも大切です。

条文は、一つひとつに作られた背景や目的があり、現在に至ります。各条文が制定された背景や条文の目的、現代の法制度にどのように適用されるかなどを考えることで、記憶に定着させやすく、応用的な問題が出題されても対応できる力が身に付くでしょう。

語呂合わせで覚える

語呂合わせは、根拠と紐づけることが難しい条文や覚えることが難しい複雑な条文などを覚える際に効果的な手段です。条文の主要なポイントを素早く覚えられ、必要な時にすぐに情報を思い出すことができます。

また、語呂合わせは学習を楽しくし、学習のモチベーションを高める効果もあります。複雑な内容を簡単なフレーズやリズムに落とし込むことで、記憶に残りやすくすることができるでしょう。

重要事項説明書(35条書面)の語呂合わせの覚え方

重要事項説明書(35条書面)の語呂合わせの覚え方を紹介します。

売買・交換について

重要事項説明書(35条書面)の売買・交換に関連する16の重要事項を効果的に覚えるためには、「東方神起全国みかん調査、前回の入賞以外テロップ不要」というフレーズで覚えてみましょう。

  • ・東:「」記された権利
  • ・方:「」令に基づく制限
  • ・神:「」道に関する制限
  • ・起:飲料水、でん「」、ガスの整備状況
  • ・全国:「」土交通省令で定める事項
  • ・みかん:「未完」成物件の状況
  • ・調査:建物状況「調査
  • ・前:支払い金・預かり金の保「」措置
  • ・回:契約の「」除
    ・の
  • ・入賞:損害賠「
  • ・以外:代金「以外」に授受される金額
  • ・テ:「」付金
  • ・ロ:「」 ーンの内容
  • ・ッ
  • ・プ:割「」の条件
  • ・不要:契約「」適合責任の補償保険契約

いかがでしょうか。これ以外にもさまざまな語呂合わせ方法があると思うので、いろいろと試してみてください!

まとめ

重要事項説明書(35条書面)は、不動産取引の透明性と信頼性を確保するために重要な文書のため、宅建試験でも毎年2問以上出題されるとともに正答率も高い「絶対に落とせない問題」の場合が多く、合格のためにはしっかりと理解しておく必要があります。

しかし、重要事項説明書(35条書面)の内容は、複雑で覚えにくいものです。そのため、本記事を参考に、少しずつ記憶に定着させていきましょう。ただ、自分で黙々と勉強するのは大変なことで、疑問もすぐには解消できません。

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