全国高等専門学校デザインコンペティション2022年大会に先駆けて、今年の会場である九州・有明周辺の魅力をご紹介します。
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アミュプラザ熊本
設計:日建設計 |
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熊本駅に降り立ち、初めて出会うであろう建築物。ただの商業施設ではなく、ホテルや結婚式場、シネマコンプレックスも持つ複合施設。入り口を抜けると、左側に大きな緑と水が迎えてくれる。これは実は「水と緑の立体庭園」と言う吹き抜けで、この建物の商業施設エリアに水平方向に突き抜けて繋がっている。この立体庭園側の建物の外壁はガラス張りになっていて、水と緑と外界の採光が建物内部に自然に明るくしながら、上下階のつながりと商業施設全体の一体感を違和感なくつくりだしている。 ≫日建設計 JR熊本駅ビル ホームページ |
JR熊本駅 設計:安藤忠雄建築研究所(デザイン計画) 九州旅客鉄道+安井建築設計事務所 施工:鹿島建設・九鉄工業・光進建設 熊本駅Bl新設他工事共同事業体 竣工:2019年 用途:駅舎 |
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バスや市電など多様な交通網が発達する熊本のなかで、その発着の起点を担うのがこの熊本駅。水平方向に長く大きい駅舎は駅に見えるような見えないような、そんな不思議な外観。駅っぽくない感じもするその所以は、熊本城の石垣の反りの要素を取り込んだグレーの外壁。正面ではわかりづらいが、横方向から見ると沿っているファサードがわかるので、いろんな角度で写真を撮るのがおすすめ。外観は力強いような素っ気ないような印象を若干感じるが、改札を入りホームに上がると、また違ったギャップに風邪をひきそう。ホームは木材が施され、熊本駅を発着する人を温かく送迎する。改札前の空間もまた違った表情をしているので、ぜひ注目です。 ≫JRおでかけネット ホームページ |
サクラマチクマモト 設計:日建設計、太宏設計事務所 竣工:2019年 用途:バスターミナル、劇場、商業施設、シネコンほか アクセス:JR「熊本」駅からバス12分 |
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熊本空港から熊本中心市街地までバスで出たことのある人は、訪れたことがあるかもしれない。熊本桜町バスターミナルを併設し、劇場や店舗・飲食店などの商業施設も混在する複合施設。バスターミナルというと「乗りたいバスを待つ」「バスで来る人を待つ」という【待つ】行為が主となる空間だが、バスターミナルにほかの用途を併設させることで、【待つ】行為の幅を広げ、人々の生活の一部として日常に馴染んでいく。気になるのはこの用途の混在だけではない。建物自体はひな壇上の低層部が積層し、その積層のずれと湾曲によって豊かなパブリックスペースを生み出している。積層とずれのスキマになにかできそうなスペースが生まれることで、待つ・食べる・買うなどの行為以外の新しいものが生まれるかもしれない。バスの予定がない人にもおすすめです。 ≫SAKURAMACHI Kumamoto ホームページ |
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佐賀県立博物館 設計:高橋ていー+内田祥哉 施工:松尾・住友建設JV 竣工:1970年 アクセス:佐賀駅から徒歩30分 / バス15分 |
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博物館らしいといえば博物館らしい建物の佐賀県立博物館。気づかないとそのまま玄関から館内に入ってしまいそうだが、注目してほしいポイントは玄関上部。玄関前は広い屋根のような空間で雨宿りにちょうどいいかなと思ったりもするが、上を見上げてみてほしい格子状の編み編み。建築的用語で「小梁」という部材が作り出している建物を支える重要な構造。玄関からではなく、少し距離を撮ってカメラを構えるとかっこいい写真が撮れるかも、挑戦してみてください。建築的なことはよくわからないという人は、館内に入ったら天井高の高低差を気にして展示室をまわってみてください。天井が高い空間と低い空間が交代で現れ、天井が低く圧を感じる空間と天井が高く開放的な空間がなぜこのように構成されているのか考察しながら順路を進むのもおすすめです。 ≫佐賀県立博物館 佐賀県立美術館 ホームページ |
佐賀県庁 旧館 アクセス:JR「佐賀」駅から徒歩20分 「県庁前」バス停から徒歩1分 |
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自分が住む町の庁舎行ったことありますか。庁舎って一般に開放されているけど、なかなか行くこともないし、記憶にあるのは小中高の学生時代の社会科見学くらいかなという人も多いのでは。ここ佐賀県庁旧館は、気軽に入りやすく、お散歩のついでやちょっとした観光のスケジュールに入れるのもおすすめ。2017年に耐震補強・大規模改修した佐賀県庁旧館では、かつて知事室・来賓室等として利用されていたスペースが見学可能で、入り口では「入っていいのか?」ちょっと物怖じしてしまうかもですが、入ってみると初めて来たのにどこか懐かしい感じもして不思議な気持ちになるかも。広いとはいえない廊下と、それぞれの室の表札が廊下に飛び出している感じが、学生時代の校舎を彷彿とさせるような風景で、入り口や階段部分は美しい高貴な雰囲気の建築様式が施され、ワクワクするスポットが随所にあるので、ぜひ見学可能なエリアをじっくり見てみてください。 ≫佐賀県(施設案内:佐賀県庁旧館平面図) ホームページ |
佐賀県庁 新館 アクセス:JR「佐賀」駅 徒歩20分 「県庁前」バス停 徒歩1分 |
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佐賀県庁旧館に行ったら、ついでに新館も行ってみませんか。旧館は比較的低層の建物でしたが、新館は割とビルな感じ。こちらも「ちょっと入りづらい・・・」とこちが引けるが、入り口を入ったらすぐエレベーターがあるので、それで一般開放されている最上階の展望ホールを目指しましょう。展望ホールは、フロアを一周できるようになっていて、全方角に向かって佐賀市一帯を見渡すことができる。ここに来るまでに立ち寄った佐賀のスポットをこの高さから探してみよう。時期によってはイベントを開催していて、夜の佐賀を見ながらプロジェクションマッピングのイベントもあるそうなので夜も昼も行ってみたいですね。 ≫佐賀県(施設案内:本庁舎の概要) ホームページ |
佐賀県立図書館 設計:高橋ていー+内田祥哉 施工:松尾組 竣工:1962年 アクセス:佐賀駅から徒歩20分 / バス10分 |
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一見ふつうの図書館のように見えるが、実はおすすめポイントが満載な佐賀県立図書館。まずは、この外観と周りの風景。晴れている日ならどんな状態で撮っても写真映えしそうなかっこいい直線的な建物と灰色のコンクリート、木のテラス、空、広場の緑のコントラスト、すべてが相まって美しい。写真を撮ったら、自分の行きたいルートで建物入り口へ。入る前に下を見てみて、床のタイル・石の装飾が可愛いので、ここでも写真を一枚。中に入ると、なんとなくコンパクトな空間がお出迎え。実はこの図書館、スキップフロアの構成になっている。図書館はスキップフロアを採用すると、閲覧スペースや書庫が増やせるのでメリットがたくさん。つまり、スキップフロアによって増えた様々な空間も見どころ。実際に足を運んで、自分だけのお気に入りのスペースを探してみて。 ≫佐賀県立図書館 ホームページ |
佐賀大学美術館 設計:㈱梓設計九州支社 [協力:㈱ワークヴィジョンズ] 施工:金子建設㈱、㈱佐電工、㈱九電工 竣工:2013年8月 アクセス:佐賀駅からバス15分 |
佐賀大学美術館と聞いて「外部の人、本当に行ける?入れる?」と思ったが、大学の関係者以外も入れる工夫も含めて美術館は計画されているので、安心してだれでも入れます。佐賀大学正門目の前に建つ佐賀大学美術館は、佐賀市民や県民に対して開かれた大学をイメージさせる施設として計画され、本当に誰でも入りやすい位置にあるため、大学に憧れのある高校生時代なら登下校の途中にあったら大学生気分で利用していたかもしれない。この美術館の特徴は、フレキシブルな展示空間。可変的な間仕切り壁や、どのような展示にも対応できる多種多様な展示室で、様々な見せ方の展示を実現させている。大学の奥に美術館がある形式もあるが、美術館をきっかけに大学を街に開く、この構成も一種の挑戦かもしれない。 ≫佐賀大学美術館 ホームページ |
市村記念体育館 設計:板倉準三 竣工:1963年 アクセス:佐賀駅から徒歩21分 / バス10分 |
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佐賀県立図書館のりに位置する「なんだこれ」な外観の建物。実はこれ、体育館なんです。ギザギザの壁と屋根が特徴的で、ここでスポーツしたい!中に入ってみたい!という衝動に駆られるようなワクワク感。ですが、『市村記念体育館』は昭和38年に『リコー』の創業者:市村清さんから寄贈された体育館で、これまでスポーツや文化にかかわる様々な用途で運用され、現在は老朽化のため使用することができません。老朽化が問題としてあげられ、一時は取り壊しも検討されましたが、佐賀の拠点として2026年のリニューアルオープンに向けて現在計画が進行中。現在のかたちがどこまで残るかわかりませんが、新しい姿にも期待ですね。 ≫市村清ゆかりの地 ホームページ |
佐賀バルーンミュージアム 外壁サイン:総合広告企画 ㈱フリーダム アクセス:佐賀駅から徒歩17分 / バス5分 |
毎秋アジア最大級のバルーン(熱気球)の競技大会「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」を開催する佐賀で、天候に左右されず一年中バルーンを体験できるミュージアム。バルーンの展示・体験コーナーやシミュレーターなど、ここでしか知ることができないことがたくさん知れそう。気になる建物の特徴は、外壁。日中はバルーンのアイコンが浮かんでいる外壁だが、夜はこのアイコンがライトアップされ、県庁に限らずライトアップやイルミネーションで街を盛り上げる佐賀の雰囲気が伝わってくる。日が落ちた後のお散歩も楽しめそう。 ≫佐賀バルーンミュージアム ホームページ |
武雄市図書館 設計:スタジオアキリ+CCC(改修) 竣工:2000年(改修:2013年) アクセス:武雄温泉駅から徒歩15分 |
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この図書館の名前どこかで聞いたことある、という人もいるのではないでしょうか。「武雄市図書館」と検索すると、見覚えのある図書館内の写真が出てくるかも。蔦屋書店・スターバックスを取り入れた図書館として知られているが、本棚がずらりと並んでいる光景はまさに最近の図書館という感じで圧巻。本棚の並びもすごいが、本棚と本棚の間や、奥まった部屋に閲覧スペースや勉強などができるスペースがあり、地元の人や観光客の利用はもちろん、特に目立ったのは地元の学生たちの試験前の勉強場所としての活かされ方。地元にこんな綺麗で行く度にワクワクする図書館があったら通いつめちゃうのにも大きく頷ける。 ≫武雄市図書館 ホームページ |
武雄市こども図書館 プロデューサー:武雄市+カルチュア・コンビニエンス・クラブ㈱ ディレクター:㈱佐藤総合企画 アクセス:武雄温泉駅から徒歩15分 |
武雄市図書館のとなりに建つ、大屋根が特徴的な建物。こちらは「こども専用」の図書館。大人でもワクワクしちゃうような、こどもができたら家族で来たくなる図書館。こどもでも居心地よく感じられる家のような空間の中に、こども目線で気づく秘密の空間やえほんの山など、こどものスケールに配慮したワクワクするような仕掛けが溢れている。もちろん家族旅行でも来てみたい場所だが、「こども」を対象とする設計・計画・施工などを考えている人も参考にしたくなる建築物のひとつ。 ≫武雄市観光協会 武雄市こども図書館 ホームページ |
武雄温泉楼門 設計:辰野金吾 竣工:1915年 アクセス:武雄温泉駅から徒歩12分 |
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東京駅の設計で知られる辰野金吾設計で、大正4年に創建。釘を一本も使用していない天平式楼門は「いで湯の里武雄」のシンボル。この門だけでこの先の情景を思い浮かべさせ、楽しみな気持ちを上昇させるという視覚的効果がすごいと感じた。平成17年には国指定重要文化財に指定されている歴史ある建造物。武雄温泉駅から武雄温泉に向かう街路もどこか味がある独特な雰囲気なので、実際に足で歩いて向かってみるのもおすすめ。 ≫武雄市観光協会 武雄温泉楼門 ホームページ |
武雄市役所新庁舎 設計:チームラボアーキテクツ 石橋建築事務所 藤崎設計事務所 竣工:2018年 アクセス:武雄温泉駅から徒歩5分 |
県庁に比べると市役所を利用するほうが多いに違いない。しかしそれでも利用の予定がなければ、近くに行くこともあまりないもの。そこで、武雄市役所は「市民が集う」「健康づくり」「安全安心」をテーマに庁舎にさまざまな機能を持たせ、誰でも気軽に立ち寄れる場所として計画。市役所のイメージは書類の申請や更新などで訪れることはあるが、外交的に開いているというよりはどこか閉鎖的な印象の方が強い人が多いはず。そんななか、この庁舎は1階ホール、3階テラスがオープンに開放され、ゆるやかなカーブを持つ大きなひさしやガラスを用いた外観で、内外の壁を無くすような柔らかい建物になっている。訪れた際は、比較的行きやすい3階テラスから武雄の街を一望するのがおすすめ。 ≫武雄市役所 たけおポータル 新庁舎のご案内 ホームページ |
旧唐津銀行本店 設計:田中実 装飾:京都高島屋 竣工:1885年 アクセス:唐津駅から徒歩10分 |
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竣工の年代から考えると、その当時の銀行らしい銀行である旧唐津銀行本店。どこかで見たことのあるような銀行の雰囲気があるが、日本銀行本店や東京駅の設計で知られている辰野金吾の愛弟子:田中実が設計者。辰野金吾らしさも継承しつつ、規模や街の銀行というスケールで、重厚過ぎず、でも高貴で美しい街に寄り添った等身大の銀行の雰囲気も感じられる。建築が好きという人でなくても、このような建物や装飾が好きな人は多いのではないでしょうか。特に目を惹くのは、建物内の柱や壁の装飾と木製カウンター。美しいというか可愛らしいというか、うまく言語化できないけど温かい気持ちになる不思議な空間。現在は銀行の復元と併せて辰野金吾記念館としても利活用されているので、一般的な銀行部分だけでなく2階へ上がると特別室の見学も可能。思わずカメラを向けてしまう空間がたくさんあります。 ≫辰野金吾記念館 旧唐津銀行 ホームページ |
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"To be continued..."
門司港駅 開業:1914年 様式:ネオ・ルネッサンス |
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左右対称のネオ・ルネッサンス様式が特徴的な駅舎。昭和63年には、鉄道駅舎としては初めての国の重要文化財に指定。門司港一帯で掲げられている「門司港レトロ」という計画コンセプトがあるが、電車で門司港に着いた人はおそらくこの門司港駅がはじめて触れる門司港レトロ。駅外観はもちろん、切符売り場、待合室、切符売り場横のスターバックスまでもが、可愛らしいレトロ感を持ち合わせている。統一感ある駅舎のなかで、ちょっと違う雰囲気を纏う改札・ホームの雰囲気もまたエモい。電車を待ちながらじっくり見学するのもおすすめ。 ≫北九州市門司区 ホームページ |
九州鉄道記念館 アクセス:門司港駅から徒歩2分 |
明治24年に九州鉄道本社として建てられた本社を利用し、鉄道の歴史を楽しく学べる記念館。細長い建物の形状を利用し、廃車となった実寸大の鉄道・ジオラマなどが展示され、明治の鉄道駅舎っぽい雰囲気も持ちつつ、ミュージアムとしての空間構成・ゾーニングも面白い。鉄道好き、こども連れのファミリーにもおすすめ。 ≫九州鉄道記念館 ホームページ |
旧門司税関 設計:咲寿栄一 竣工:1912年 アクセス:門司港駅から徒歩7分 |
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昭和初期まで税関庁舎として使用されていた、煉瓦造り瓦葺きの平屋構造の建築物。レストランになっていたり、入館料が必要な場所もいくつかあるが、ここは休憩所や税関PRコーナーなどで活用されているため、無料で見学できるので門司港のお散歩の休憩スポットとしてもおすすめ。 ≫広報展示室(旧門司税関)ホームページ |
大連友好記念館 設計:日本設計(複製設計) 施工:安藤建設 竣工:1995年 アクセス:門司港駅から徒歩6分 |
この建築物は以前から現存するものではなく、北九州市と中国大連市の友好都市締結15周年を記念して、大連市の歴史的建造物を複製建築したもの。1階はレストラン、2階は自由に休憩できるスペースと大連市の紹介コーナーがあります。外観の特徴的な装飾も気になるので、外観と内観をじっくり見学しに行こう。 ≫北九州市観光情報サイト 大連友好記念館(旧国際友好記念図書館) ホームページ |
キャナルシティ博多 設計:THE JERDE PARTNERSHIP Inc.(アメリカ) 竣工:1996年04月 施工:キャナルシティ博多建設協同企業体(株式会社錢高組、清水建設株式会社、株式会社大林組、株式会社フジタ 他) アクセス:博多駅から徒歩10分 |
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キャナルシティ博多ってただの商業施設でしょ?って思ってませんか。実は、その建物の背景が非常に面白いんです。まず、知ってほしいのはキャナルシティのコンセプト、「都市の劇場」。この空間の主役は訪れる人をワクワクさせる建物や機能ではなく訪れる人々。ショッピングモール、映画館、劇場、アミューズメント施設、ホテル、ショールーム、オフィスなどの複合的な機能をもち、そこに様々な目的をもち訪れる人々が出演者であり観客。集い・憩うことで、多様なストーリーが重なり合っていく、そんな空間。エリアごとのゾーニング、都市のような空間構成、建物のファサードとファサードの間に生まれる空間など魅力がたくさんあるので、建物だけじっくり探検するだけでも半日はつぶれそう。「キャナルシティ博多 コンセプト」で出てくるページも非常に面白いので、現地に行く前でも行った後でも行ったことない人も是非見てほしい。 ≫キャナルシティ博多 ホームページ |
福岡市博物館 設計:株式会社佐藤総合計画九州支所 施工:福岡市博物館建設共同企業体(清水建設株式会社九州支店、戸田建設株式会社九州支店 太平工業株式会社九州支店、龍建設株式会社、大祥建設株式会社) 竣工:1991年 アクセス:西新駅から徒歩15分 バス停「博物館北口」「博物館南口」「福岡タワー」から徒歩5分 |
写真で見たときから、この迫力の博物館を実際に見てみたい!という衝動に駆られるくらい大迫力の福岡市博物館の外観。水平方向に大きく広がる建物と、ガラス張りのファサードの眺めは圧巻。目の前に広場や噴水があり、晴れた日には写真映えすること間違いなしのキラキラ感。見どころは外観だけじゃない!館内もしっかり見てください。中に入ると大階段がお出迎えしてくれて、左側に常設展、右側に企画展と分かれていて、来館者の誘導の潔さを感じる。全国巡回の企画展を開催する会場としても使用される場所なので、興味のある企画展などがやっているときに合わせてぜひ行ってみて。 ≫福岡市博物館 ホームページ |
福岡市総合図書館 設計:株式会社山下設計 竣工:1995年7月 アクセス:西新駅から徒歩15分 バス停「博物館北口」「博物館南口」「福岡タワー」から徒歩5分 |
図書館とは思えないくらい大きな図書館。図書館以外にも、映像ホール、ミニシアター、軽食コーナーなど、長時間滞在型図書館として多岐にわたって用途が複合されている珍しい図書館。外観とは少しギャップのある可愛らしい装飾の館内も見どころ。ホテルを彷彿とさせるような、図書館らしくない居心地の良い、ふらっと訪れたくなるような空間になっている。実際に現地でその体感を味わってほしい。 ≫福岡市総合図書館 ホームページ |
福岡PayPayドーム 設計:竹中工務店,前田建設工業 施工:竹中工務店JV 竣工:1993年 アクセス:唐人町駅から徒歩15分 バス停「PayPayドーム」から徒歩6分、「九州医療センター」から徒歩3分 |
ドーム建築やスタジアムって、スポーツをやってないとなかなか見ることないと思うので、しっかり知ってみるのも面白そう。現PayPayドームは「福岡 Yahoo! JAPANドーム」「福岡 ヤフオク!ドーム」を経て、現在の名前で親しまれている。日本で初めての「開閉式屋根」を採用し、九州最大級の全天候型ドーム施設として様々なイベントを開催。スタジアムなどの競技施設によって特徴が分かりやすく異なるコンコースや外周デッキは要チェック。特にPayPayドームの外周デッキは、観戦目的でない人や会場に入れない人も楽しめるように空間展開がされているので、年間を通して楽しめるエリア。さらに、その外周デッキを介して周辺施設とドームをつなぐアプローチが設けられているのは、当たり前のようで実はすごい。同じスタジアム系統では広島のズームズームスタジアムもおすすめなので、チェックしてみてください。 ≫福岡ソフトバンクホークス ホームページ |
BOSS E・ZO FUKUOKA(ボス イーゾ フクオカ) 設計:三菱地所設計・竹中工務店設計共同体 施工:株式会社竹中工務店 竣工:2020年6月 アクセス:唐人町駅から徒歩15分 バス停「PayPayドーム」から徒歩6分、「九州医療センター」から徒歩3分 |
PayPayドームに隣接する、ビルの周りにまとわりつく銀の帯と、外壁の数か所から四角い枠が飛び出している外観になんだこれとなる建物。地上40mの高さからビル壁面に沿って滑り降りるチューブ型のスライダーが実は、この外観の正体。ほかにもぶら下がり式のレールコースターやウォールクライミングなどのアトラクションや、チームラボの常設ミュージアム、吉本興業の常設劇場など魅力的なコンテンツが集結した複合エンターテイメント施設。 ≫BOSS E・ZO FUKUOKA ホームページ |
福岡市美術館 設計:前川國男 ・ 梓設計(リニューアル) 竣工:1979年(リニューアルオープン:2019年) アクセス:大濠公園駅または天神南駅から徒歩10分 |
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赤茶色の外壁が特徴的な福岡市美術館は、同じく前川建築である東京都美術館をどこか感じる。両者いずれも「エスプラナ―ド」と呼ばれる広場とロビーを中心とした展示空間の構成が共通点で、美術館に入ってすぐ展示室へという誘導になっていないのが特徴。東京都美術館は地上にボリュームを出さないよう抑えて計画されているため、これらふたつを比べて見ていくのが難しいが、地上にわかりやすく展開されている福岡市美術館はテラスや中庭など外に開けている空間が多いように感じる。目の前に広がる大濠公園の存在も併せて、日常生活の近くにいるという印象で、だれもが訪れやすい美術館。 ≫福岡市美術館 ホームページ |
大濠公園 設計:本多静六・永見健一 開園:1929年3月 アクセス:大濠公園駅または唐人町駅から徒歩7分 |
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福岡城の建築時に、博多湾の入江であったこの地を外濠として利用し、昭和2年の東亜勧業博覧会を機に造園工事が行われ、昭和4年(1929年)に開園したのが大濠公園。福岡博多天神に来たら、大濠公園というくらい現在では観光スポットのひとつとしても、地元の人にもずっと親しまれている全国有数の水景公園。公園内には福岡市美術館、日本庭園、能楽堂、テラス、カフェなどが併設され、ジョギングロードも人や自転車、散策路など目的別で区分けされていて、最高環境の公園。ゆっくりする旅行や観光でしっかり時間をとってスケジュールに入れるのもおすすめ。 ≫大濠公園 ホームページ |
SOLARIA PLAZA|ソラリアプラザ 設計:日建設計 施工:大成建設・清水建設 竣工:1989年3月 アクセス:西鉄福岡(天神)駅 隣接 |
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店舗、ホテル、映画館、レストランなどの用途が複合する商業施設。現在のソラリアプラザはリニューアルされたもので、近接する公園側に向かって1~6階までの外壁の一部をガラス化・緑化した状態になっている。日中は気づきにくいが、昼と夜のソラリアプラザは印象が結構変わる。公園側のガラス化によって、夜、建物から明かりで公園に光を入れ、ソラリアプラザ自身のキラキラしたファサードも見どころ。 ≫SOLARIA PLAZA ホームページ |
アクロス福岡 設計:日本設計,竹中工務店,Plamtago(Iandscape) 施工:竹中工務店JV 竣工:1995年 アクセス:天神南駅・福岡(天神)駅から徒歩7分 |
アクロス福岡と聞いてピンとこない人も、画像検索で「アクロス福岡」と調べたら一度は見たことのある有名な外観が出てくるはず。アクロス福岡の特徴は「ステップガーデン」。建物の一面が階段状の斜面になっていて、その斜面に緑が溢れ、滝が流れる屋上庭園。建物からしっかり距離をとって全景を撮れば、もはや森に建物が埋まっているような画が撮れるかも。 ≫アクロス福岡 ホームページ |
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大牟田駅 開業:1891年 連絡橋開通:1990年 |
大牟田市の西と東を分ける境界線かつ、街の中心を担っている大牟田駅。西口側には西鉄大牟田駅、東口側にはJR大牟田駅の改札があり、それぞれの電車を利用する人や東西を行き来する目的としても駅と駅横の連絡橋が活躍している。東西口駅前はバスターミナルとしても使用され、朝夕の通勤・通学時は多くの人が利用している。 ≫JR九州 大牟田駅時刻表 ホームページ ≫西鉄電車各駅情報サイト 大牟田駅 ホームページ |
旧長崎税関三池税関支署 竣工:1908年 開庁:1908年 特徴:木造、平屋建、桟瓦葺 アクセス:大牟田駅よりバス12分+徒歩10分 |
三池港の開港と同時に開庁し、1908年から1965年まで税関として57年間使用された。建造物は、木造平屋建てで入母屋造角屋付き、屋根は桟瓦葺きで一部は銅板葺きとなっている。世界文化遺産として登録されている。見学は土日祝日のみ可能、詳細はこちらのホームページよりご確認ください。 ≫福岡県の文化財 旧長崎税関三池税関支署 ホームページ |
三井港倶楽部 竣工:1907年 設計:清水組(現:清水建設) アクセス:大牟田駅よりバス5分+徒歩12分 |
大牟田の気になる建築物のなかでも、現在もレストランとして活躍しており、実際に外観も内観も楽しむことができる建物。三池港に入港した船舶の船員に対しての休憩所として、三池港開港と同時に完成したのがはじまり。当時は和洋館が並立して建設されたが、現在残っているのは洋館のみ。このTHE洋館な様式は「ハーフチンバー・スタイル(木骨様式)」建築物。2005年に大牟田市指定文化財に指定され、2007年には経済産業省の近代化産業遺産に認定される歴史ある文化財である。 ≫三井広報委員会 三井港倶楽部 ホームページ |
大牟田市役所本庁舎旧館 竣工:1936年 登録:国登録有形文化財 アクセス:大牟田駅より徒歩3分 |
一見市役所には見えない風貌の建物。今でこそ、このような外観の建築物は歴史ある学校の校舎くらいのイメージだが、建物全体が完全な左右対称で左右翼部の水平線の強調や中央の塔屋は建設当時の官公庁建築の一般的なスタイルらしい。建築様式としては「近世式鉄筋コンクリート四階建」と呼ばれるもの。もちろん市役所なので、ある程度の部分までは入りやすいものですが、見学可能日も設けられているのでご確認ください。詳細はこちら ≫大牟田市 大牟田市庁舎 ホームページ |
【当ページ担当者『S』のプロフィール】
所属課内の唯一の女性。某大学の建築学科を卒業し建築資料研究社に入社。入社2年目で建築士取得の指令を受け、自腹で日建学院に通学。2級建築士を一発取得。
建築と電車(乗り鉄、特に「座席」が好きで、素材・形状・座り心地には拘りがあり煩い)をこよなく愛する。桜田茉央さんと一緒に建築模型を作りたいと思っている。Instagramを鋭意更新中!。
(プロフィール文責:E)