株式会社建築資料研究社 日建学院

おかげさまで50周年

冨永美保さん

建築を学んだそのあと「NEXT STAGE」
|冨永美保さん

「建築家になりたい」。そう決意したのは、大学時代の恩師との出会いがきっかけでした。建築を教えるその先生は個人の発想や経験を大切にしてくれる方で、イメージとしてすごく遠くに感じていた“建築”というものが、意外に自分の近くにあるものだと気づかせてくれました。私が今疑問に思っていること、色々な人が考える不満や楽しいことはつながっていて、それは建築設計を通して社会や身の回りに対してアクションしていけるのかもしれない。そう思った時に「建築家になりたい」という気持ちが湧き上がってきたんです。

 大学院時代の恩師である小嶋一浩先生がある時こんなことを言いました。「『F.O.ゲーリーの美術館の隣の建物の2階の窓辺に飾ってある花綺麗だったよね』と言われて『ああ、あの赤くてふわっとした花だよね』と応えられないと建築家にはなれないよ」。先生の建築にはダイナミックなイメージを持っていたのですが、具体的な出来事やシーンを何百通りも考えて、そうした集積によって建築をつくっていることにとても共感しました。

 一級建築士の資格取得を本格的に考えたのは、大学院を卒業してからです。最初は独学で勉強していたのですがコツが必要なことに気がついて、大学の助手や個人の設計の仕事をしながら独学で2年勉強しました。思うような成果が得られず、勉強と仕事の両立に行き詰まっていた時、日建学院の奨学生制度のことを知りました。運良くその資格を得て、新しい学び舎で資格の勉強の再スタートを切りました。製図の授業では決められた時間内に同じ課題に取り組むのですが、個人の講評だけでなくクラス内での講評があり、他の人の作品を見て「こうやって読み解くのか」という発見がその都度あってとても楽しかった。密度の濃い学びを得たという実感があり、資格を取ったあともその経験は実際の設計の仕事にも生きています。 

 資格を取って大きく変わったのは設計に向かう意識です。資格を取る前は相談の段階で「これは私には受けられない」と思うことが多々ありましたが、資格取得後は「どうやってこの建築を実現させよう」と以前にも増して前向きに考えられるようになったんですよね。今、興味があるのは建築単体で素晴らしいものをつくるというよりも、時間の中に建築を放り投げた時にどれくらい有機的な反応があるのか。そんな風に建築のことを考えて日々ワクワクできるのも、資格を通して知識を身につけられたからなのかもしれませんね。

Tominaga miho

冨永美保

一級建築士

横浜国立大学大学院(YGSA)
設計事務所(設計)
せんだいデザインリーグ2011
卒業設計日本一決定戦(日本一)
一級建築士合格@2016年
In 日建学院池袋校

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