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週刊濱崎塾(毎週月曜日更新)
今週のアドバイス(2019.02.25)
モーメントと曲げモーメントの違いをアドバイスするよ!
力学で最初にわからなくなりやすいのは、モーメントだろうと思う。
そこで、今回は「モーメントと曲げモーメントをしっかり区別しよう!」というテーマでアドバイスする。
モーメントとは「回転させようとする作用」だよ。
曲げモーメントとは「わん曲させようとする作用」だよ。部材に生じる応力のひとつで、1対のモーメントになる。
図でその違いをよく確認しよう!
この違いが理解できているか、例題を使って考えるぞ。
〔例題〕
図のような荷重を受けるはりのB点の曲げモーメントを求めよ。
〔解答〕
1)反力を求める。
- ΣMB = -1kN×1m-VC×1m = 0・・・①
- ∴VB = 2kN(上向き)
- ΣY = 2kN+VC-1 = 0
- VC = -1kN(下向き)
2)応力を求める。
- MB(左)= -1kN×1m = -1kN・m・・・②
したがって、B点の曲げモーメントは1kN・m
ではこの例題について、次の3つの問を考えてみよう。
〔問1〕
解答の①式と②式は、モーメントの式ですか、それとも曲げモーメントの式ですか。
①式は、モーメントの式だよ。
つりあい条件式の「ΣM = 0」は「回転しない」という式になる。
②式は、曲げモーメントの式だよ。
曲げモーメントは1対のモーメントであり、解答では左側を計算している。
〔問2〕
B点はピンにのっています。
モーメントは0ですか。
モーメントは0(ΣMB = 0)だ。
ただし、注意してほしいのは、B点がピンにのっているという理由でΣMB = 0が成り立つわけではないよ。つりあいがとれているからΣM = 0が成り立つのであって、A点でもC点でも、どの点でもΣM = 0が成り立つけど、距離がわからないと式がたてられないので、距離のわかる構造物の中でモーメントの式をたてるんだ。
〔問3〕
B点はピンにのっています。
曲げモーメントは0ですか。
ピンにのっていても、曲げモーメントは0にはならないよ。
部材がピンで接合されているときは、部材がわん曲せず、曲げモーメントは0になる。
ピンにのっているだけでは、部材がわん曲し、曲げモーメントは0にはならないよ。
構造力学はある瞬間、それまでモヤモヤしていたものがすっきり晴れて、突然視界が開けたように解けるようになるぞ。
この「ある瞬間」は、「回転モーメントと曲げモーメントは違う」といった、極めて基本的な内容を真に理解できたときにやって来る。
構造力学が苦手だと思っていても、この言葉を信じて「ある瞬間」がくるまで粘り強く問題を解き続けてくれ。