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今週のアドバイス(2019.06.24)
構造と施工の「本試験」について
今年度の2級建築士設計製図課題は、「夫婦で営む建築設計事務所を併設した住宅(木造2階建て)」と発表があったね。「まずは学科試験だから、製図まで気にしてられない!」と思ってる人も多いと思うけど、実は学科試験(特に計画)と設計製図試験の内容は多くの範囲で繋がっているんだ。今回は、この課題内容から見えてくる、製図試験や学科試験の整理するべきポイントを紹介しようと思う。
「夫婦で営む建築設計事務所を併設した住宅」から、まず何が想定できるだろうか。
思い浮かべられるのは、例えば「若夫婦」・「子ども」だね。これらは2級設計製図試験で出題されてきたオーソドックスな家族構成だ。ここに「夫婦で営む建築設計事務所」が加わるということは…
- ●夫婦で営む ⇒ 共働き ⇒ 家事(子育て)がしやすい環境 ⇒ 事務所と行き来しやすい・適切な規模の住宅
- ●夫婦で営む建築設計事務所 ⇒ 近隣と身近な設計事務所 ⇒ 近隣住民が相談・利用しやすい設計事務所
- ●設計事務所を併設した住宅 ⇒ 設計事務所はオープン、住宅部分はプライバシーを確保 ⇒ 各居室の配置や環境
このように、想像力を働かせると様々な想定ができる。
では、このような住宅を設計するために必要になる知識は何だろうか。
冒頭で学科試験と設計製図試験は繋がっていると解説したけど、ここでその整理しておくべきポイントを確認してみよう。
- ●事務室、居間・食事室・台所、夫婦寝室、子供室などの規模(面積)
- ⇒これらの居室は製図試験で規模が与えられないので、各自で想定して計画できるようにしなければならない。学科試験でもその指標が出題されるぞ!
- ●バリアフリー(屋内・屋外スロープ、車椅子使用者用駐車スペース)
- ⇒近隣住民等の利用者を考慮して、これらの幅や勾配などの各寸法は必ず把握しておかなければならない。ここも学科試験でよく出題されるぞ!
- ●住宅としての居室配置
- ⇒居間等の各居室は、プライバシー確保もさることながら、優先させて南面配置させなければならない。また、敷地の南側は隣地からの距離を大きくとり、建物内に日差しが多く入るようにしけなければならない。なぜ南側配置なのかは、学科試験で出題される太陽の軌跡、日射量、日照時間、遮蔽効果など整理したらわかるはずだ!
以上、抜粋して紹介してみたよ。上記寸法や居室の配置計画は、設計製図試験では課題文に明確には要求されない。なぜかというと、これらは設計者として常識的に判断しなければならない内容だからだ。こういった出題に対応するためには、常日頃から身の回りの建物の配置・居室の配置・各種の寸法などに興味を持っておくことが重要だ。この考え方は、結果的に学科試験・設計製図試験どちらにも役立つはずだぞ。
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