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今週のアドバイス(2019.08.19)
力のつり合いを理解しよう!
みんながよく知っている建築物は、土の上に建っているよね。目には見えないけど、その建築物には様々な力が働いている。 例えば、建築物そのものの重量、家具・人間などの荷重、雪が積もればその荷重、風(台風)や地震…などの力がそれに当たる。建築物は、それらの力を受けても基本的に静止した状態を保っている。つまり、ただ建っているのではなく、それらの力に対して、動くことなく、また、壊れることなく耐えているということになる。
言い方を変えると、「建築物に働く様々な力に、建築物がつりあう力で押し返している」ということなんだ。だから動かないし、壊れないんだよ。この状態を簡単な図にしたり、記号化して学ぶのが構造力学だ。
構造力学において、横方向の力は、水平力といい、主に風や地震の力がこれにあたる。そして、それに対して押し返す力、つまりつりあう力を「反力」という。これを式で表すと「∑X=0」となるんだ。
「∑」の意味は、「総和」だ。つまり「∑X=0」は、「横方向(X方向)の力を全て足したり引いたりした結果は0になる(つり合う)」という意味なんだ。
縦方向の力は、垂直力といい、主に建築物そのものの重量や家具・人間や雪の荷重がこれにあたる。同様に、つり合う力は「反力」といい、式で表すと「∑Y=0」となる。「垂直方向(Y方向)も、力を全て足したり引いたりすると、結果は0になる(つり合う)」ということだね。
右図の1・2のように、「∑X=0」「∑Y=0」は、「同じ大きさで反対向きの一対の力が、押しあったり、引きあったりすることでつり合う」という形だと理解しやすいよね。
ただ、「同じ大きさ」で「反対向き」の力同士でも、つり合わない場合もあるんだ。それが、「軸がずれた場合」だよ。右図のように押す力の位置がずれてしまうと、回転してしまって、静止しない(つり合わない)んだ。
このような場合の、つり合うための条件の式が「∑M=0」だ。「M」は、前回解説した「モーメント」のことだね。この条件式が成り立つということは、回転せず静止した状態、つまり力がつり合った状態であることを意味しているんだ。
「∑X=0」「∑Y=0」「∑M=0」この3つのつり合い条件式を使って、「反力」などの見えない力を求めていくんだ。これは構造力学では必須の知識になる。必ず把握しよう!