濱崎先生が強力サポート!「濱崎塾」
週刊濱崎塾(毎週月曜日更新)
今週のアドバイス(2019.08.26)
反力を求められるようにしよう!
構造力学において、「反力を求める」は、その次に進むためにも必ず理解しなければならない必須の知識になるぞ。その反力は、前回解説した【つり合い条件式:「∑X=0」「∑Y=0」「∑M=0」】で求めていくことになる。
特に多くの問題で反力計算が必要となってくるのは、「単純梁の反力」だよ。したがって、まずは単純梁の反力の求め方をマスターしよう。
単純梁は、「ピン支点」と「ピンローラー支点」で構成させている構造物だ。まず確認が必要なのは、仮定する反力だよ。
ピン支点:垂直反力と水平反力が作用する。
ピンローラー支点:垂直反力のみが作用する。
では、集中荷重が作用した場合の反力計算の手順をみてみよう!
右下図のように集中荷重3Pが作用した場合、まずは反力を仮定する。支点の種類ごとに間違えないように仮定しよう。
ここで、水平反力HAについて、外力において水平荷重がないので、水平反力も働かないぞ。式にすると、∑X=0 ∴HA=0
次は、「∑Y=0」ではなく、「∑M=0」を計算する。つまりモーメントのつり合い条件式だ。モーメントなので、「力×距離」だね。ここで必要となるのが、どこを中心として計算するかだ。距離が分からないと計算できないので、支点や節点、また外力が作用している点になるけど、次の約束を守ってほしい。それは、必ず、「ピン支点」で行うこと。
右下図のA支点、つまり「ピン支点」で行うことのメリットは、HAやVAからA支点までの距離が0となるので、計算式に出てこないんだ。計算式を簡略化する上でも重要だぞ。式にすると、
∑MA=0より
+3P×l-VB×3l=0
∴VB=+P(仮定通り・上向き)
最後に「∑Y=0」を計算する。
右下図のように縦方向は、VA、VB、3Pしかないので、丁寧に計算すると、
∑Y=0より
+VA+VB-3P=0
+VA+P-3P=0
∴VA=+2P(仮定通り・上向き)
以上、構造力学で最初に理解しなければならない必須の知識だぞ。ここが理解できないと、次に続く、「応力」、「静定トラス」、「応力度」も理解できなくなる。したがって、この計算の流れを完全にマスターしよう!