※このテクニカル講座は、 Ver 3.38 を基に作成しております。
 

 
【EpoCAD】では、寝室や収納スペースなど多目的に利用することが可能なロフトの表現を作成することができます。

今回は右図のような2階建て図面の2階クローゼット上部にロフトを入力する方法を説明していきます。
 


 
右図の赤枠の部分にロフトを作成します。

【EpoCAD】では同一階に部屋を重ねて入力することが出来ません。ロフトを入力する時は、階数を1つ増やしてロフトとなる部屋と吹抜を入力して作成します。
 
 
[躯体(X)]メニュー/[躯体データ設定]を選択します。

[図面データ設定]ダイアログの地上階数を1つ増やして「3」にし、[了解]ボタンをクリックします。
 
 

画面右上部で階を3階に変更します。(左図)


(他階表示)をクリックします。[別階表示の選択]ダイアログが表示されます。[図面の下に表示]・[2階]を選択して[了解]ボタンをクリックします。(右図)
 
2階の図面が表示されます。

3階図面を入力する時にこのラインを参考にして入力作業を行います。
 
 
右図のように、2階の「主寝室」の上になる部分に「ロフト」と「吹抜」を入力します。
 
 
 
必要に応じて照明・手摺・階段(はしご)等を入力しましょう。
 
  2 階
 
<階段の入力>

(階段入力)をクリックし、[階段の作成]ダイアログで[階段単体入力]ボタンをクリックします。
「直階段」を選択し、昇降口の始点・終点・奥行きの順に入力します。[階段の作成]ダイアログが表示されます。(右図)
階段の種類を「ストリップ階段」にし、作成段数を終点高と到達高が一致するまで増やします。

設定が終了したら[了解]ボタンをクリックします。

※ 奥行きが足りないので、セット階段は入力できません。
 
 
  3 階
 
<手摺の入力>

(手摺)をクリックし、手摺の形状を、[始点高=400mm]、[終点高=400mm]に設定します。始点・終点の順に2本の手摺を入力します。


<照明の入力>

吹抜に[部品]メニューの[照明・エアコン・カーテン]-[ペンダント]-[シャンデリアB(ペンダントタイプ)]を入力します。[伸縮の長さの設定](天井からの高さ)を900(mm)に設定します。
ロフトに[部品]メニューの[照明・エアコン・カーテン]-[ダウン・スタンド・ブラケット]-[ブラケットB]を入力します。[床からの高さ]を1100(mm)に設定します。
 
 
 
ロフトと吹抜け部分に勾配天井の設定を行います。
今回は設定の仕方を説明するために、屋根の高さにぴったり合うように勾配天井を設定してみます。
 

このプランは2階主寝室クローゼット(3階ロフト)上に棟のある4.5寸勾配の切妻屋根が2階の桁の高さにかかっています。
 
 
勾配天井は部屋ごとに勾配の低いほうの位置の高さを入力して設定するので、部屋ごとの低いほうの位置の屋根の高さ(右図中の赤点線の高さ)を確認します。
上図は屋根図で2階()を表示させ、(他階表示)で3階(マゼンタ)を表示させています。
 
 
 
屋根の高さの調べ方として棟・軒・桁の高さと勾配と水平距離から算出することも出来ますが、一時的に屋根を切り取って確認することも出来ます。
 
(屋根面切取)/[任意屋根面部分切取り]を選択します。右図の赤枠のように屋根を囲み、切取ります
 
(内容)/[屋根線の内容]を選択します。確認したい屋根線をマウスで指示して、屋根線の高さを確認します。

※ 確認後は、を2回クリックして、切り取った部分を元に戻してください。
 
 
[屋根図]を終了し、[3DCAD]に戻ります。

勾配天井は部屋ごとに設定します。高さの設定も部屋の内部の高さになります。屋根図で確認した高さはGLからの高さなので、3階の部屋の高さに換算する必要があります。

[躯体(X)]/[躯体データ設定]の[図面データ設定]ダイアログで設定値を確認しながら、3階の屋根図で確認した高さを3階床からの高さに換算します。

6369mm(3階床高) =
6270
(2階地上高) + 99(3階床厚)
 
 
勾配天井の設定の準備が整ったので設定していきます。
(部屋詳細設定)をクリックします。勾配天井を設定する3階ロフトをマウスクリックし、[天井= 0件]ボタンをクリックします。
 
 
[天井の部分仕様設定]ダイアログで、[勾配天井]を選択し、数値部分をマウスクリックして[勾配=4.5寸]、[基準高=1334mm](7703[屋根高さ]-6369[3階床高])に設定します。

設定部分が
マゼンタで表示されます。
※ [3D]ボタンをクリックすると、[部屋の内容]が表示され設定を確認することが出来ます。

 
同様にロフトの天井勾配を設定します。
 
 
次に、吹抜の勾配天井を設定します。右下部の[部屋指定]ボタンをクリックします。勾配天井を設定する3階ロフトをマウスクリックし、[天井= 0件]ボタンをクリックします。

右図の高さで勾配天井の設定をし、入力してください。
下側(南側)は、[天井の部分仕様設定]ダイアログの[入力]部分を「多角」に変更して入力してください。

設定が終了したら、[終了]ボタンをクリックし、[部屋詳細設定]コマンドを終了しましょう。
 
 
以上でロフト表現の作成は終了です。[作業項目(S)]/[パース]を選択し、確認してみましょう。
 
 
ロフトを入力するのに階を増やしたくないという方に、このようなロフト表現もあります。
 
 
上図は、ロフトを階段の高さ2100mmの踊り場を使って入力しています。その下部分を収納に見立てています。
 
<入力方法>
 
  1. 部屋の高さを変更する
 
(部屋編集)/[部屋の内容.修正]を選択し、「主寝室」を選択します。
[部屋の内容]ダイアログ内の[天井高]の数値部分をクリックし、[2700mm]に変更します。
 
  2. 収納部分の壁・建具を入力する
 
壁は手摺で入力します。
(手摺)を選択し、[手摺の選択]ダイアログ内の、を選択します。[手摺高]の数値部分をクリックし、[2500mm]に、[フェンス高]の数値部分をクリックし、[400mm]に変更します。
建具が入るほうの壁を入力します。

(手摺)を選択し、[手摺の選択]ダイアログ内の、を選択します。[始点高]・[終点高]の数値部分をクリックし、それぞれ[2100mm]に変更します。
はしごがかかるほうの壁を入力します。

(重ね記号)を選択し、[重ね記号の選択]ダイアログ内の[重ね記号詳細設定]ボタンを選択し、[了解]ボタンをクリックします。建具が入るほうの手摺を選択します。
[重ね記号の設定]ダイアログ内の、[追加設定]ボタンで[内部建具]−[内部折戸・伸縮]−[(折戸)工芸調A4枚](建具高:2000、内法高:2000)を選択し追加し、[了解]ボタンをクリックします。
 
  3. 踊り場・階段を入力する
 
(階段入力)をクリックし、[階段の作成]ダイアログで[階段単体入力]ボタンをクリックします。
「踊り場」を選択し、ロフトになる部分に入力します。[階段の作成]ダイアログ内で、[始点高:2100]、[終点高:2100]に設定し、[了解]ボタンをクリックします。

(階段入力)をクリックし、[階段の作成]ダイアログで[階段単体入力]ボタンをクリックします。
「直階段」を選択し、はしごの昇降口の始点・終点・奥行きの順に入力します。[階段の作成]ダイアログ内で、[始点高:0]、[終点高:2100]、階段の種類を「ストリップ階段」にし、作成段数を終点高と到達高が一致するまで増やします。設定が終了したら[了解]ボタンをクリックします。
 
 
[作業項目(S)]/[パース]を選択し、確認してみましょう。