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今週の質問(2019.06.17)
鉄筋工事に置いて、鉄筋の曲げ加工で「冷間加工する」とありますが、冷却して加工するのですか?
冷却してしまうと鉄筋の強度が下がるイメージがあります。なぜ冷間加工なのでしょうか?
また、「熱処理を行うと性質が変わる」とは一体どういった変化をするのですか?
この鉄筋の「冷間加工」は誤解しやすいところだから、はじめから説明していくよ。
まず、「冷間」って言葉を聞くと、まるで鉄筋を冷やして加工をするかのように感じてしまうけど、実は「冷間加工」とは「常温で行なう加工」のことを言うんだ!
決して冷却するわけではないので注意しておこう。
次に、「熱処理を行うと性質が変わる」という鉄筋の特徴について説明するよ。
鉄筋や鋼材などの建築で使用する金属は、基本的に「塑性(力を加えて変形させると、その変形状態が保たれたままになる)」という性質を持っているんだ。
通常、引張りや曲げなどの力を加えられた金属をそのままにしていても、元の形に戻ったりはしないよね。
それは、変形状態を保つ「塑性」の力が働いているからなんだ。
でも、一つだけ例外がある。それが「高熱を加えたとき」だ。
種類によって温度はそれぞれ違うけど、ある温度以上で金属を加熱すると、粘りなどが増す一方で、強さや硬さは減少してしまう。
これが、「熱処理を行うと性質が変わる」ということなんだ。
加熱を行うと、金属内の組成が組み替わり、まったく別の性質のものとなってしまう。
だから、建築で使用する鉄筋は「バーベンダー」「シャーカッター」等を使用して、原則として「冷間加工(常温加工)」を行うのが基本となっているんだよ!
金属材料の性質についての話は、実は施工だけでなく構造の範囲でも出題されている部分だ。しっかりと覚えておこう!