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今週の質問(2020.06.15)
事務所ビルの計画においてよく使われる「レンタブル比」について詳しく教えていただけませんか?
事務所ビルにおけるレンタブル比についての質問だね。
まず事務所ビルについて考えてみよう。事務所ビルにもいくつか形態がある。例えば、自分の会社だけで専用に使う自社ビルや事務室部分等を借りたいという人に貸す貸しビルなどがある。
このレンタブル比というのは、貸しビルの場合に使われる考え方だ。
ではレンタブル比とは何を意味するのだろう。
「レンタブル」とは、「貸すことができる」という意味だ。貸すということは、収益を得られる。つまり、レンタブル比とは貸すことができる部分(=収益を得られる部分)の比率を表す。
貸しビルの場合、いろいろな部分を貸して賃料収入を得る。例えば一番一般的なのが事務室だ。他にもビルの一角を店舗として貸す場合もあるだろうし、また駐車場があれば利用したい人に貸す場合もあるだろう。このような貸すことができる部分のことをレンタブルエリアといい、建物の面積と比べてどれくらいの比率になっているかを表したものがレンタブル比となる。
このレンタブル比も大きく2つの種類がある。
1つは、建物全体のレンタブル比。もう1つは、基準階のレンタブル比だ。
建物全体のレンタブル比は、建物の延べ面積に対する貸すことができる部分(=収益を得られる部分)の床面積比だ。
一般的にこの比率は、65~75%となることが多い。
もう1つの基準階のレンタブル比は、基準階の床面積に対する貸すことができる部分(=収益を得られる部分)の床面積比だ。
こちらの場合の比率は一般的に、75~85%となることが多い。
ではどうしてこのような違いが生じるのだろうか?
基準階の場合には、廊下のほか、階段・便所といったコアと呼ばれる部分以外は、ほとんどが事務室エリアになる。そのため、貸すことができる部分の割合は比較的高くなる。
一方、外部との出入口のある1階などは、玄関ホール等があるため、基準階よりは貸すことができる部分の割合は低くなる。そのため、建物全体のレンタブル比としては、基準階のレンタブル比に比べ低くなってしまうんだ。
以上2つの数値は、試験でよく出題される内容なので、しっかり覚えておこう!!