2023年 2級建築士設計製図課題発表

令和5年 二級建築士試験
「設計製図の試験」の課題

全ブロック(全都道府県)専用住宅〔木造〕

課題分析
【第二弾】
更新!

[要求図書]

  • 1階平面図兼配置図[縮尺1/100]
  • 各階平面図[縮尺1/100]
  • 床伏図兼小屋伏図[縮尺1/100]
  • 立面図[縮尺1/100]
  • 矩計図[縮尺1/20]
  • 面積表
  • 計画の要点等
  • (注1)建築物の階数については、試験問題の設計条件において指定する。
  • (注2)答案用紙には、1目盛が4.55ミリメートル(矩計図については10ミリメートル)の方眼が与えられている。
  • (注3)建築基準法令に適合した建築物の計画(建蔽率、容積率、高さの制限 等)とする。

[注意事項]

試験問題を十分に読んだうえで、「設計製図の試験」に臨むようにしてください。なお、設計与条件に対して解答内容が不十分な場合には、「設計条件・要求図書に対する重大な不適合」と判断されます。

令和5年度 専用住宅(木造)課題分析

【課題のテーマについて】

本年の課題は、「専用住宅(木造)」です。
2級建築士設計製図試験としては、近年の傾向と同様に課題を補足する説明が無いシンプルなテーマとなりました。「専用住宅」の課題は2017年以来6年ぶりの出題となりますが、「どんな人が」「どこに」「どれくらいの規模の家に」「何人」「どのように」住むのかなど、多様な出題の可能性があります。

過去の「専用住宅」の試験課題

  • ・2017年:家族のライフステージの変化に対応できる三世代住宅(木造2階建て)
  • ・2016年:景勝地に建つ土間スペースのある週末住宅(木造2階建て)
  • ・2014年:介護が必要な親(車椅子使用者)と暮らす専用住宅(木造2階建)
  • ・2011年:趣味(自転車)室のある専用住宅(木造2階建)
  • ・2010年:兄弟の二世帯と母が暮らす専用住宅(木造2階建)
  • ・2008年:高齢者の集う趣味(絵手紙)室のある二世帯住宅(木造2階建)
  • ・2005年:近隣の街並みに配慮した車庫付二世帯住宅(木造2階建)
  • ・2004年:趣味(フラワーアレジメント)室のある専用住宅(木造2階建)
  • ・2003年:吹抜けのある居間を持つ専用住宅(木造2階建)
  • ・2000年:趣味(音楽)室のある親子二世帯住宅(木造2階建)

今回出題された「専用住宅」はシンプルなテーマですが、課題を補足する説明がないため、本試験時にはどのような条件が指定されてくるか分かりません。そのため、上記にあるような過去の「専用住宅」における家族構成やライフスタイル、周辺環境等、あらゆるパターンを想定して学習する必要があり、例年と比べやっておかなければならない対策が多い課題内容となります。

(1)要求図書(図面等)について

本年の「要求図面」は次のように公表されました。

【要求図書】

「1階平面図兼配置図」「各階平面図」「床伏図兼小屋伏図」「立面図」「矩計図」「面積表」及び「計画の要点等」

令和4年同様に「矩計図」が要求されました。「矩計図」は屋根から基礎までを作図し、「床伏図兼小屋伏図」との整合性も求められるため、木造建築物を理解したうえで作図練習に取り組む必要があります。
また、「計画の要点等」における「工夫した事項や設計意図」等の文章表現(記述)や図面との整合性も重要になります。

(2)近年の試験結果の分析

近年の試験結果における特徴は、次のようになります。

出題 ランクⅠ ランクⅡ ランクⅢ ランクⅣ
木造 R04 52.5% 7.7% 30.7% 9.1%
RC造 R03 48.6% 7.7% 31.9% 11.8%
木造 R02 53.1% 6.9% 32.6% 7.4%
R01 46.3% 12.5% 30.1% 11.1%
RC造 H30 54.9% 14.5% 24.2% 6.4%
木造 H29 53.2% 15.1% 25.4% 6.3%

「ランクⅠ」が合格です。合格率は46%~55%ですが、課題を補足する説明が公表されていない近年は、ランクⅢとランクⅣの割合が増え、合わせると40%以上となっています。

設計製図試験は「減点方式」の試験です。要求されているものが描けていないと減点され、不合格の可能性が高まるので、減点の少ない図面を完成させることが必要です。また、試験対策としては「未完成」や「失格項目」によって不合格になる「ランクⅣ」、大きな減点項目によって不合格になる「ランクⅢ」を避け、採点してもらえる「ランクⅠ」「ランクⅡ」に入っておく必要があります。「ランクⅢ」、「ランクⅣ」にならないためには、【速く正確に課題文を読み取る力】と【速く正確に図面を仕上げる作図力】が特に重要な条件です。

【課題の検討】

本年の課題について、特に検討が必要な事項は以下になります。

(1)敷地条件

敷地の規模は16~18m×16~18m程度と想定されますが、具体的な指定が公表されていないため、敷地の形状からくる採光等の単体規定や、斜線制限等の集団規定なども押さえておく必要があります。

(2)屋内外施設

「専用住宅」のみで具体的な指定が公表されていないため、いずれも下図のような高齢者や車椅子使用者へ配慮した「段差処理・スペースの確保・手摺の設置など」を押さえておく必要があります。

  • ・駐車場(車椅子使用者用等) 1~2台程度
  • ・駐輪場 2~6台程度
  • ・その他 過去の試験では、屋外スロープ、テラス、花壇、菜園等が出題されています。

課題イメージ図

課題イメージ図

また、環境への配慮としてZEHやカーボンニュートラルなども問われる可能性があり、

  • ・太陽光パネルを設置した矩計図や立面図
  • ・日射遮蔽における軒の長さ
  • ・Low-Eガラスや高効率照明(LED)の設置

なども押さえておく必要があります。

課題イメージ図

(3)延べ面積

過去の試験では、140m2~250m2程度、平均は180m2付近の出題となっています。一般的な3LDKだと100~120m2となりますので、今回の課題である「専用住宅」および「敷地面積180m2」から考察できるのは、その超えた面積分60m2に何らかの指定がされてくると想定されます。過去の出題を見ると、発表課題に補足されていた「三世帯住宅(2017年)」「土間スペース(2016年)」「車椅子使用者(2014年)」「趣味室(2011年)」のような指定が、本試験時の設計条件に入ってくると想定されます。

(4)家族構成

過去の試験では、夫婦、子供1人の計3人~親夫婦、夫婦、子供2人の計6人の間で出題されています。

(5)要求室

過去の出題は、課題を補足する説明があったため基本的な室構成はある程度推測できましたが、本年度は「専用住宅」のみのため、以下は確実に押さえておく必要があります。

①玄関 ②居間・食事室・台所 ③夫婦寝室 ④祖父母室 ⑤子供室 ⑥多目的室(予備室) ⑦趣味室 ⑧和室  ⑨浴室 ⑩洗面脱衣室 ⑪便所 ⑫納戸 ⑬家事室

※その他

①エレベーター ②吹抜け ③バルコニー  ④自動車車庫 等

【過去の出題分析を踏まえた課題対策】

近年の試験は、出題者の意向を汲み取り、受験者として適切な解答ができる能力があるかどうかを確認する出題となっています。そのためには、課題文を正確に読み取り、出題者の意向を取り入れて計画し、計画の要点等により出題者にアピールすることが重要です。

また、昨年同様「注意事項」が発表されました。
設計与条件(課題文)に対して解答内容(プランニング・作図)が不十分な場合は「重大な不適合」と判断されることになるので、出題者側の意向を、実習課題を通して汲み取る訓練をしながら、練習を進めることが合格への道です。

本年度の課題「専用住宅」の参考となる、過去に出題された専用住宅の日建学院答案例を下記に掲載いたしますので、本年度試験対策としてご活用ください。

2017年:家族のライフステージの変化に対応できる三世代住宅(木造2階建て)
[PDF]

2016年:景勝地に建つ土間スペースのある週末住宅(木造2階建て)
[PDF]

課題イメージ図

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