2024年 2級建築士 設計製図課題発表
令和6年 二級建築士試験
「設計製図の試験」の課題
観光客向けのゲストハウス(簡易宿所)
〔鉄筋コンクリート造〕
[要求図書]
- 1階平面図兼配置図[縮尺1/100]
- 各階平面図[縮尺1/100]
- 立面図[縮尺1/100]
- 断面図[縮尺1/100]
- 部分詳細図(断面)[縮尺1/20]
- 面積表
- 計画の要点等
- (注1)各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定します。
- (注2)答案用紙には、1目盛が5ミリメートル(部分詳細図(断面)については、10ミリメートル)の方眼が与えられている。
[注意事項]
試験問題を十分に読んだうえで、「設計製図の試験」に臨むようにしてください。
なお、建築基準法等の関係法令や要求図書、主要な要求室等の計画等の設計与条件に対して解答内容が不十分な場合には、「設計条件・要求図書に対する重大な不適合」と判断されます。
令和6年 課題分析【第二弾】
〔1〕要求図書(図面等)について
本年の「要求図面」は次のように公表されました。
【要求図書】
「1階平面図兼配置図」「各階平面図」「立面図」「断面図」「部分詳細図(断面)」「面積表」及び「計画の要点等」
令和6年は「鉄筋コンクリート造[RC造]」の出題となりました。(ラーメン構造)と指定が無いため、壁式構造等も考えられます。階数については「(注1)各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定します。」とあり、2階建て、3階建てのいずれが出題されるかは試験当日までわからないため、さまざまな階数も想定をしながら試験対策を進める必要があります。
〔2〕課題の検討
令和6年は「観光客向けのゲストハウス(簡易宿所)[RC造]」の課題となりました。
一般的に「ゲストハウス」とは、ドミトリー(相部屋)を基本とする簡易的な宿泊所のことになりますが、部屋の種類や各設備、共有スペースの目的など、多種多様なゲストハウスが存在しています。そのため、試験当日の課題文を正確に読み取り、出題者の意向を取り入れて計画・作図する必要があり、事前に様々なパターンの対策(学習)をしておく必要があるでしょう。
【観光客向けのゲストハウス(簡易宿所)について】
多種多様なゲストハウスが存在しますが、今回は出題者より「観光客向け」「簡易宿所」の指定がされました。
観光客向けについて
観光客向けとなっていることから、ツーリスト向けの宿泊施設ということになります。しかし、旅行客は国籍や旅行の目的など多岐にわたります。滞在期間や人数によって、宿泊室の形状や面積、水回り等共用施設の検討が必要となります。
簡易宿所について
簡易宿所は、一般的に短期滞在を目的とした宿泊施設になります。下記の通り、旅館・ホテルとは異なり、「宿泊する場所」を「多数人で共有する施設」となり、様々な観光客が共用スペース等で交流を深めることが目的の一つと考えられる宿泊施設となります。
分類 | 定義 | |
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旅館・ホテル | リゾートホテル | 観光地、保養地に立地するホテル |
ビジネスホテル | 宿泊機能主体のホテル | |
簡易宿所 | 山小屋・民宿など | 宿泊する場所を多数人で共有する施設 |
下宿 | 1ヵ月以上の期間を単位として人を宿泊させる施設 |
旅館業法・旅館業法施行令について
旅館業法・旅館業法施行令おいて定義されている「簡易宿所営業」の各規準についてまとめると、以下の通りとなります。
旅館業法・旅館業法施行令における簡易宿泊営業 |
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|
簡易宿泊営業の各規準は、下宿営業よりも厳しくて、旅館・ホテル営業よりも緩やかなイメージを想定しておけば良いですが、一方で「規模や人数」に合わせた「適当な(適切な)」設備を設ける必要があります。この「規模や人数」は課題文で提示されてきますので、しっかりと読み取って必要な計画・作図を行う必要があります。
立地条件や所要室について
観光客向けのゲストハウス(簡易宿所)で要求される立地条件や所要室ですが、様々なパターンが想定されます。実際に、日本各地では
- ・リゾート地に立地し大自然が堪能できるもの
- ・市街地に立地し二段ベッドで簡易的なもの
- ・デザイン性を重視してリノベーションしたもの
- ・カフェバーが併設され地元の食材やお酒が味わえるもの
など、多種多様なゲストハウスが存在しています。
また客室や入浴・洗面設備も
- ・客室は相部屋(ドミトリー)、2人室、個室
- ・入浴施設は大浴場からシャワーブースまで
こちらも様々なパターンが想定されます。
さらに、異なる背景を持つゲスト同士や、地域の人と交流するラウンジやスペースなども要求されると予想されます。
令和6年の課題は、「観光客向け」「簡易宿所」の条件が付記されましたが、ゲストハウスという特性上、観光客の目的・国籍・人数・立地条件などで各要素が変化しますので、様々なパターンでの対策(学習)を進める必要があります。
【建築基準法令の適合(法的規制)について】
令和6年の課題において、課題文の条件として提示され、建築基準法上で注意する必要がある項目は、「延焼の恐れがある部分・防火区画・バリアフリー対策」などです。
延焼の恐れがある部分
「隣地境界線」「道路中心線」「建築物相互の外壁間の中心線」を基準線として、階数に応じた一定の距離の範囲内に入る部分に開口部がある場合は、防火設備を設置する必要があります。
例えば、道路中心線を基準線とする場合、1階は3m、2階は5mの範囲内にある開口部には、防火戸等の防火設備を設置する必要があります。
防火区画
3階建てが条件として提示された場合、吹き抜けとなる階段やEVなどへ炎や煙の侵入を最小限に抑えるために、防火区画(本年の課題では竪穴区画が想定される)とする必要があります。
バリアフリー対策
観光客が訪れる宿泊施設のため、高齢者や車椅子の方が利用しやすいバリアフリー対策を行う必要があります。
主なバリアフリー対策としては、
・玄関ポートなどに屋外スロープの設置
・車椅子使用者が360度回転できる(径150cm以上)トイレの設置
・車椅子使用車用の駐車場スペースの確保
などを適切に取り入れた計画・作図の必要があります。
【過去のRC造課題の合否判定基準について】
前回にRC造課題が出題された「令和3年の合格発表後」に公表された、合否判定基準は以下の5つになります。
過去のRC造課題の合否判定基準 |
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特に、3)構造に対する理解、4)断面構成に関する知識はRC造の課題において重要です。
例えば、コンクリート壁の場合、その壁の下の梁が適切に配置されているか、断面構成は正確になっているのか、などがRC造の基本的な部分になります。この基本的な部分をあいまいな知識で計画・作図すると失格になるおそれがあります。
また、RC造課題の失格項目で多いものは以下になります。
RC造課題で多い失格項目 |
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近年の設計製図試験では、このようなミスをすると重大な不適合・失格と該当されてしまい、細部まで採点されません。直近5年間の設計製図試験では、ランクⅢとランクⅣの割合(=細部まで採点されない)が約40%と増加傾向にあります。
令和6年の課題は、様々なパターンが想定され難易度が高くなると予想されるとともに、[注意事項]に「設計与条件(課題文)に対して、解答内容(プランニング・作図)が不十分な場合は、「設計条件・要求図書に対する重大な不適合」と判断されます」と追加されています。
令和6年の2級建築士設計製図試験で合格するためには、【正確に課題文を読み取る力】をつけ、実習課題を通して幅広い訓練をしながら、【正確に図面を仕上げる作図力】を養成し、図面を確実に完成させることが必要です。
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