2024年 建築設備士第二次試験 総評
総評
今年の設計課題は、「温浴施設のある複合商業施設」である。
設計対象となる建築物は、用途を商業施設、運動施設及び公衆浴場とし、消防法施行令別表第1(16)項イに該当するものであった。
階の構成としては、地階:設備室スペース・防災備蓄倉庫等、1階:イベント広場・物販店舗・レストランと厨房、2階:物販店舗、3階:物販店舗・ろ過設備室、4階:温浴施設・喫茶スペースと厨房・アスレチックジム・事務室であった。
次表に、今年の『建築設備基本計画』と『建築設備基本設計製図』の出題内容を記す。
分野別の出題傾向と特徴
建築設備基本計画(記述、必須) | |
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第1問 | 厨房に設ける換気設備における臭気対策に係る計画 |
第2問 | 物販店舗に設ける空調設備における外調機に係る省エネルギー手法と理由 |
第3問 | 機械排煙設備における排煙ダクトの計画の要点 |
第4問 | 中央式給湯設備における給湯配管の計画の要点 |
第5問 | 屋内排水通気設備における通気管の計画の要点 |
第6問 | 循環式浴槽における循環配管の計画の要点 |
第7問 | イベント広場及びその周辺の共用部分に設ける照明設備の計画の要点 |
第8問 | 電灯設備における分電盤の配置計画の要点 |
第9問 | 避難口誘導灯における機器の選定・仕様に係る要点と点滅機能及び音声誘導機能を有する誘導灯の計画の要点 |
第10問 | コージェネレーションシステムにおける地震に伴う停電時に運転させるために必要な機能や計画の要点 |
第11問 | 地階の設備室スペースに設ける空調熱源設備室、給水設備室及び受変電設備室の配置に係る計画の要点 |
建築設備基本設計製図(製図、選択) | |||||||
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空調・換気 | 給排水衛生 | 電気 | |||||
第1問 |
|
機器表の計算 |
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第2問 | 配管系統図 | 配管系統図 | 単線結線図 | ||||
第3問 (共通問題) |
FCUの配管図(物販店舗) | ||||||
第4問 (共通問題) |
給排水衛生の配管図(浴室) | ||||||
第5問 (共通問題) |
照明器具の設計台数、器具の配置図 |
1.建築設備基本計画
必須問題である『建築設備基本計画』の記述問題は、11問出題された。
出題形式の特徴としては、昨年に引き続き設問ごとに具体的な対象について、要点を具体的にいくつ記述せよという形式である。
また、第10問目については、昨年に続き地震時の対応についての問題が出題され、停電時にコージェネレーションシステムを運転させるために必要な機能や計画の要点についての説明が出題された。
今年の試験でも問題文の冒頭に記入上の注意として、計画条件の1頁に記載している事項については、解答として記入しても評価の対象外となる旨が記されていた。
2.建築設備基本設計製図
『建築設備基本設計製図』は、「空調・換気設備」、「給排水衛生設備」、「電気設備」の3分野から受験者が選択して解答する選択問題となっている。
第1問と第2問がそれぞれの分野に特化した問題となっており、第3問~第5問が選択分野にかかわらず解答する共通問題となっている。
1)空調・換気設備
出題構成としては、(1)空調機の能力表と一次エネルギー消費量計算、(2)ガス口-レンジの必要換気量を求める問題であった。
特徴としては、第1問において、ガス口-レンジの必要換気量において、「理論廃ガス量により求めた有効換気量」と「排気フードの面風速から算出した有効換気量」を比較して算定させている点が挙げられる。
2)給排水衛生設備
出題構成としては、第1問が各種機器の計算問題、第2問が配管系統図という内容だった。
特徴としては、第1問において、貯湯槽の加熱量も求める際に、「時間最大予想給湯量を充足する加熱量」と「4階の温浴施設の浴槽の湯張りにおける給湯量のみを充足する加熱量」を比較し、大きい方を選択させる問題であった。
第2問では、中央式給湯設備の配管方式を強制循環開放式下向き供給方式としている点が挙げられる。
3)電気設備
出題構成としては、第1問が機器表、ケーブルのこう長計算、第2問が単線結線図という内容だった。
特徴としては、第1問において、テレビ共同受信設備についてのケーブルのこう長計算が数年ぶりで出題された点が挙げられる。
4)各設備(共通問題)
出題構成としては、第3問が物販店舗のFCUの配管図、第4問が浴室の配管図、第5問が事務室の照明器具の設計台数と器具の配置図という内容だった。
特徴としては、第4問FCUの配管図が昨年に続き連続での出題、第5問浴室の配管図はR03以来の出題という点が挙げられる。
第6問昨年に引き続き照明器具の配置図を計画する際、最大器具取付間隔に関して規定され、問題用紙には、空調吹き出し口が既に記載されており、吹出口のとの取り合い及び離隔距離を考慮したレイアウトを求められた。
合格発表日
2024年11月7日(木)
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