建築資料研究社 全国建築学生
チャレンジコンペ2026[特別企画]
審査員 事前インタビュー

Interview
本多健(ほんだ・たけし)
建築家 / 株式会社HOOP 代表取締役
建築イベントプランナー 建築家(一級建築士)/1973年 島根県生まれ プランツアソシエイツを経て、2002年 独立。2005年 シェアオフィスFLAT4設立。2015年 建築イベント企画会社 株式会社HOOPを設立 「ラ・アトレ学生実施コンペ」「寺子屋ふくろう」シリーズ、「バリアレスシティアワード」等、建築コンペ等の企画に携わる。高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準に関する委員を務める他、山梨県丹波山村等で空き家のまちづくり等を進める。芝浦工業大学非常勤講師 建築学生サークル♭顧問
「50年先へつなぐ、コトバとカタチ」をテーマにした本コンペにおいて、特に注目している点や、重要視している要素は何ですか?
まず大切にしてほしいのは、自分自身の実体験です。
これまでに「気持ちよかった」「感動した」「面白かった」「心が静まった」と感じた体験を、ぜひ書き出してみてください。
その体験を通して得た感覚や、その場の環境を、自分なりの新しい言葉として整理してみることが重要だと思います。
言葉にできたなら、それを自分の得意な分野のデザインによって、形として表現してほしいです。
私自身は、日本の先人が残してきた場所や建築、空間、そして日本ならではの四季や自然との体験こそが、このコンペに参加する上での土台になると考えています。
50年先にも価値を持ち続ける建築(カタチ)には、どんな「要素」が宿っていると感じますか?
例えば建築には、さまざまな要素があります。
設備や運営方法といったソフト面、用途の変化、それに伴う家具やサインなどは、時代とともに更新されていくものだと思います。
一方で、差し込む光や建物が持つ質量、かたちが生み出す存在感、陰影、そして空気感や雰囲気といったものは、時代が変わっても人の心に訴えかける、普遍的な感覚に根ざした要素です。
50年先にも価値を持ち続ける「カタチ」には、まずそうした要素が宿っていると感じます。
もし、その感覚にまだふさわしい言葉が与えられていないのであれば、ぜひ自分なりの言葉を考えてみてください。
言葉が生まれることで、想いや価値は後世へ伝わり、広がり、結果として社会を少しずつ良くしていくと私は考えています。
ご自身がこれまでに手掛けた、もしくは感銘を受けた、今回のコンペのテーマに関連した表現を持つ作品はありますか?
日本じゃないんですけど…私が建築を志すようになったきっかけは、大学2年生のときに訪れた、ドイツ・ミュンヘンにあるミュンヘンオリンピックスタジアムです。
建築家であり構造家でもあるフライ・オットーが手がけた、半透明で緩やかな吊り屋根の曲線と、スタジアム周囲に広がる池や芝生の緩やかな地形。その間に身を置いたときの体験が、今も強く心に残っています。
建築の「自由さ」を、頭ではなく身体で感じた瞬間でした。それまでこの建築の存在を知らなかったからこそ、新鮮な驚きがあったのかもしれませんが、立ち止まって見入るというより、むしろ走り出したくなるような衝動に駆られたことを覚えています。
あの感覚を、どんな言葉で表現すればいいのか――。私自身も改めて言葉にしていかなければならないと感じています。
審査員として学生に期待すること、伝えたいことはありますか。
まずは、自分自身の体験の中にある、特別な感情や印象に残っている場所を思い出してみてください。
もし思い当たるものがなければ、ぜひ今すぐにでも旅に出てほしいと思います。別に遠くでなくて構いません。身近な場所でいいのです。
できるだけ多くの建築や空間に、実際に足を運び、触れてみてください。
スマホで検索して建物の来歴を知ることも大切ですが、それだけで終わらせず、ぜひ自分の身体で感じてほしいと思います。
そして、写真をたくさん撮り、そのとき感じたことを自分の言葉で残してみてください。
写真と言葉をセットにして蓄積していくことが、やがて自分だけの表現の土台になります。
きっとその中に、このコンペで大切にしてほしい要素が見つかるはずです。
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