土木施工管理技士資格を取得するための試験
土木施工管理技士技術検定制度は国土交通大臣指定期間が実施する国家資格です。1級と2級があり、それぞれ第一次検定と第二次検定があります。第一次検定が学科の試験であり、第二次検定が実施の試験です。土木施工管理技士資格を取得することによって、それぞれの級に当てはまる『監理技術者』もしくは『主任技術者』となることや、営業所ごとに配置する『専任の技術者』となることができます。
ここでは、土木施工管理技士資格の試験日はいつなのか、合格するのはどのくらいなのかについてお伝えいたします。
土木施工管理技士資格の試験日
土木施工管理技士2級の試験ですが、令和5年度は6月と10月の2回行われました。6月に行われる前期試験では、第一次検定しか行われませんが、10月の後期試験では、第一次検定と第二次検定のうち受検したいものを受検すること、またどちらも受検することができます。一方で1級は、第一次検定が7月、第二次検定が10月に行われます。出願の期間がどちらも受検日よりもかなり早くなっているので、受検したいという方は早めから対策や準備をしておくことが必要です。
土木施工管理技士資格の合格率
令和5年度の土木施工管理技士の試験の合格率は、2級の第一次検定(後期)で52.5%、第二次検定で62.9%です。1級の第一次検定で49.5%、第二次検定で33.2%です。
令和3年度から試験制度が変更になっており、1級の第二次検定においては前年度の試験よりも合格率は微増しています。これから合格率が上昇する可能性もあるので、難関試験ではあるものの、しっかりと対策をすることによって合格を狙うことは十分にできる試験だと言えます。
土木施工管理技士資格を取得した方が良い理由
土木施工管理技士を取得することで、さまざまなメリットがあります。ここでは、土木施工管理技士資格を取得すると良い理由についてお伝えします。
昇進につながる
土木施工管理技士を取得した場合、2級では『主任技術者』、1級では『管理技術者』として認められます。また、各工事現場での『専任の技術者』としても認められます。そのため、資格を取得することによって責任のある立場で工事に関わることができるようになり、昇進につながりやすいということがあります。経営者側から見ても技術者として高く評価されるため、貴重な人員として、現場などでも評価してもらうことができるようになります。
給料に影響がある
資格を取得することによって様々な立場で工事に関わることができるようになったり、昇進したりすると、給料が上がる可能性が高いです。資格取得者、特に1級の土木施工管理技士の資格取得者を現場に配置することによって、経営審査においても高く評価されるため、会社においても資格を取得しているという事実自体に手当が出る可能性が高いです。キャリアアップを狙いたいという方にも土木施工管理技士の資格取得はおすすめです。
大規模な工事に関わることができる
土木施工管理技士1級を取得した場合、『管理技術者』として認められます。管理技術者は、4,500万円以上(建築一式の場合は7,000万円以上)の下請契約がかわされた工事に対して必ず設置しなければいけないため、資格取得者、その中でも上の級の資格の取得者のみが関われる工事などがたくさんあります。現在では、試験制度の改定により、第一次検定に合格したあとに、技士補として活躍の場を探すことも考えられるので、ぜひさまざまな工事に関わって経験を積みたいというかたは資格取得について考えてみてはいかがでしょうか。
土木施工管理技士の受検資格
土木施工管理技士には、第一次検定・第二次検定ともに受検資格が必要です。ここでは、土木施工管理技士の受検資格を1級と2級に分けてお伝えします。
2級土木施工管理技士の受検資格
第一次検定
令和6年度 受検資格要件
第1次検定 | 第2次検定※ |
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17歳以上 (受検年度末 時点) |
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- ※「第一次検定合格」については、令和3年度以降の第一次検定合格が対象、また「2級第二次検定合格」については、令和2年度以前の2級技術検定合格も対象。
第2次検定に関し、上記と同等と認められる受検資格要件
第2次検定 |
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- ※経過措置期間(令和6年度から令和10年度までの間)における旧受検資格の実務経験(対象や証明方法等)の取り扱いについては、従前のとおりとします。
- ※新受検資格における実務経験について(これまでとの主な変更点)は、国土交通省HPをご参照ください。
1級土木施工管理技士の受検資格
令和6年度 受検資格要件
第1次検定 | 第2次検定(※1) |
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19歳以上 (受検年度末 時点) |
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- ※1.「第一次検定合格」については、令和3年度以降の第一次検定合格が対象、また「2級第二次検定合格」については、令和2年度以前の2級技術検定合格も対象。
- ※2. 請負金額4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の建設工事において、監理技術者・主任技術者 (当該業種の監理技術者資格者証を有する者に限る)の指導の下、または自ら監理技術者・主任技術者として行った経験 (発注者側技術者の経験、建設業法の技術者配置に関する規定の適用を受けない工事の経験等は特定実務経験には該当しない)
第2次検定に関し、上記と同等と認められる受検資格要件
第2次検定 |
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- ※経過措置期間(令和6年度から令和10年度までの間)における旧受検資格の実務経験(対象や証明方法等)の取り扱いについては、従前のとおりとします。
- ※新受検資格における実務経験について(これまでとの主な変更点)は、国土交通省HPをご参照ください。
土木施工管理技士の勉強方法
ここでは、土木施工管理技士の資格を取得するための勉強方法についてお伝えします。
問題集に取り組む
第一次検定、第二次検定ともに、まずはどのような問題が出るのか把握することが必要不可欠です。問題集や通信講座などを利用して、土木施工管理技士の資格取得に必要な知識を蓄えましょう。ある程度問題形式や知識などを身につけることが出来たら、過去に出題された問題を利用しての勉強がおすすめです。問題の傾向などは過去に出題された問題を研究することによってかなりつかみやすくなるので、積極的に取り組むようにしましょう。
問題を繰り返し解く
通信講座の教材や問題集、過去に出題された問題なども一度しか解かないと、なかなか身につかなかったりすぐに覚えたことを忘れてしまったりということもあります。どの分野が自分にとって得点しやすい分野なのか、どの分野が苦手なのかを押さえるという意味でも、様々な教材になるべく何度も取り組むようにすることがおすすめです。
得意分野を見つける
土木施工管理技士の試験には、土木工学の知識や施工管理法などの知識、技術者として現場を管理するための知識など、さまざまな分野があります。問題の中でも解きやすい分野とそうでない分野がある方が多いので、どこだったら自分が得点をとりやすいのかを確認し、確実に合格点に達するような勉強をしましょう。そのためには、過去問や問題集などに取り組むことが不可欠です。
実地で知識を吸収する
第二次検定では、実地に関する試験が行われます。そのため、実際に工事などに関わることによって知識を得ることができます。問題集などの演習と、実地での経験を併用して試験対策をすることによって、より効果を感じることができます。
まとめ
土木施工管理技士の資格を取得することで、現場の責任者になることができたり、昇進や昇給ができたりと、さまざまな良いことがあります。試験の合格率は第二次検定で3~4割と、難関試験ではありますがしっかりと対策をすることで合格できる試験です。試験の受検資格には、学歴に応じた実務経験などさまざまなものがあるので、しっかりと確認しておきましょう。(※受検資格のごまかしは厳禁です。)
土木施工管理技士の資格取得を最短でお考えのようならば、講習機関の講座を利用されることがオススメです。まずは日建学院などの講習機関から、過去の本試験問題を取り寄せるなどで実際の試験対策を進めてみましょう
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