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女性建築士の割合はどのくらい?
メリットや年収、子育てや結婚との両立について徹底解説

建築士という職業に憧れる人も多く、男女問わず、建造物を設計する建築士になりたいと思う人もいるのではないでしょうか。
また、女性であれば、建築士の中に女性の割合はどのくらいいるのか、気になる人も多いでしょう。

本記事では、建築士に興味を持っている女性の方向けに、女性建築士の現状や女性建築士の働き方について解説します。


目次


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女性建築士の割合はどのくらい?

建設業全体の就業者数が減少する中、平成23年より建設業における女性就業者数は増加傾向となっています。
厚生労働省の「雇用均等基本調査」によると、建設業において女性の新卒者を採用した企業の割合は、2018年は20.5%でしたが2020年には30.5%となり、全体のおよそ3割程度まで増加しています。

また、建設業に従事している女性の数は、2012年に70万人でしたが2021年には81万人と増加しており、今後も建設業界で働く女性は増加傾向が続くと見られています。

それでは、この中でも資格取得の難易度が特に高い「建築士」の女性の割合は、どのくらいなのでしょうか。


二級建築士の女性の割合

令和5年における二級建築士試験において女性合格者の割合は、学科試験において34.7%、設計製図試験において39.0%でした。

女性の合格者の割合は年々増加しており、今後も増加傾向が続くと想定されています。

参考:公益財団法人建築技術教育普及センター
「二級建築士試験結果」より


一級建築士の女性の割合

令和5年における一級建築士試験において女性合格者の割合は、学科試験において26.3%、設計製図試験において30.8%でした。

二級建築士と同様に、女性の合格者の割合は年々増加していますが、それでも全体で見ると一級建築士の女性の割合は約13.8%となっており、男性の一級建築士と比べると非常に低い割合となっています。

参考:公益財団法人建築技術教育普及センター
「一級建築士試験結果」より

参考:さくらい暮らしデザイン「女性建築家」より


女性建築士の需要とは?

建設業全体として技術者の需要が高まっているため、必然的に女性建築士の需要も今後は高まっていくと考えられます。
現状、女性建築士が少ない理由は、女性建築士が必要とされていないからではありません。

建築業界の慣習として男性の建築士が多くなっていることが大きな原因と考えられるでしょう。


建築士全体として需要が高い

「国土交通省 建築行政に係る最近の動向」によると、一級建築士の年齢別割合は、60代だけで全体の約27%を占め、50代を合わせると約52%にもなります。
一方で、20代や30代の一級建築士は極めて少なく、20代は全体の1%にも満たない状況です。

このように建築士の高齢化が進んでいることから、今後の建築士の人数減少が懸念されています。このため、男女問わず実力と実績のある建築士が評価されるでしょう。
特に、女性は男性と比べて人数が少ない分、女性ならではの視点を活用できる強みがあるため、女性建築士の需要は高まると想定されています。

年齢 人数 全体に占める割合
20代 1,523名 1%
30代 14,008名 10%
40代 29,526名 21%
50代 35,514名 25%
60代 37,366名 27%
70代 19,753名 14%
80代 2,077名 2%
90代 83名 1%未満

参考:国土交通省
「建築行政に係る最近の動向(P50)」より


建築士を目指す女性が増えている

近年、日本の大学における建築学の学び方が変化し、建築学部の設置が増えています。
これにより、女子大生が建築士を目指すケースが増加しています。特に、文系からの進学が可能になるなど、入試制度の多様化が女子大生の増加に寄与しています。

例えば、近畿大学では、建築学部における女子学生の割合が4割近くまで上昇し、多様なバックグラウンドを持つ学生が集っており、学びが深まるとともにキャンパスの活性化にもつながっているようです。これは、建築学部への進学を考える女子大生にとって、大きな魅力となっています。

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女性建築士の年収・収入はどのくらい?

女性建築士になった場合、一般的にどのくらいの収入を得ることができるのでしょうか。

厚生労働省が発表している「平成29年賃金構造基本統計調査」によると、一級建築士の場合、男性は、年収約653.5万円、月収が43.2万円に対し、女性は年収約560.9万円、月収が36.3万円です。

一級建築士は、特に難易度の高い国家資格であるため、男女ともに日本の平均年収や中央値よりは高くなっています。

また、一般的に女性の一級建築士よりも、男性の一級建築士の方が給料が高くなっていることがわかります。

女性の方が男性よりも一級建築士の登録人数が少ない分、平均年収を引き上げるような経験値の豊富な一級建築士、著名な一級建築士の数が少ないことも考えられるでしょう。

このため、女性の一級建築士であっても、実績や実力があれば、男性の一級建築士の平均年収を超えることが可能です。

参考:スタディサプリ進路
「建築士の気になる?年収・給料・収入」より

女性建築士はどんな服装がいいの?

女性建築士の服装は、比較的自由であることが多いです。

オフィスカジュアルに近く、アクセサリーなどもつけて出勤している女性建築士もいます。

一方で、注意するべき点が2つあります。


清潔感のない印象を与える服装は避ける

一つは、派手すぎて清潔感のない印象を与える服装は避けることです。

建築士は、設計に関して顧客と打ち合わせをしたり、設計を手がける建築会社とすり合わせをしたりと、様々な人と交流する機会がある職種です。

このため、人によって印象が分かれてしまうような個性的な服装や、派手な服装は避けましょう。


動きやすい服装をする

もう一つは、動きやすい服装をすることです。

建築士は、実際に現場の下見に行ったり、工事の進捗を確認したりと、現場に触れる機会が多い職種です。

このため、動きにくい服装をしていると、仕事に支障を来すことがあります。

反対に、派手すぎず、動きやすい格好であれば、細かい服装の制限はないことが多い職場であることから、女性も働きやすいでしょう。


対面での商談などが多い場合はスーツで対応する

企業などの組織や設計事務所の場合、対面での商談が多い部署では、スーツを着用することが基本です。プロフェッショナルな印象を与えるためにも、TPOに応じたスーツが求められます。
一方で意匠設計部では、女性は少しラフなオフィスカジュアルを着用している人が多く、アクセサリーなど、華美でなければ着用可能であることが多いです。
このように、部署によって異なる服装文化がありますが、商談では共通してスーツで対応することが望ましいでしょう。

女性建築士の強み・メリットは?

続いて、女性建築士ならではの強みについて、解説します。


強み・メリット①:
家事や育児の経験を活かした提案ができる

一つ目は、家事や育児の経験を活かした提案ができるということです。特に、戸建て住宅の設計などで役に立つことが多いです。

近年、家事や育児をする男性は増加傾向にありますが、出産は女性しかできないため、妊婦の気持ちを考えた戸建てデザインなどの観点で、女性建築士が有利になるでしょう。このように、家事や育児の経験を活かした提案ができるという点で、女性建築士は男性建築士と比べて差別化することができるのです。

また、戸建て住宅の設計は、建築の仕事の中でも最も多い案件になるため、こうした強みを活かして独立する女性建築士もいます。


強み・メリット②:
女性向けのデザインに力を発揮できる

戸建て住宅以外にも、ネイルサロンや脱毛サロン、美容院に下着店など、女性が訪れる頻度の高い店舗などのデザインにも、女性ならではの観点から強みを発揮することができます。

例えば、下着店であれば、実際に顧客の気持ちを理解している女性であれば、「店舗の外からこの部分は見えない方が嬉しい」などのアイデアが、スムーズに浮かびやすいでしょう。

このように、女性の建築士であることが、女性の顧客視点を取り入れた設計、デザインをしやすくなるのです。


強み・メリット③:
機能面だけではなく長い目で見たデザインを提案してくれる

女性の建築士は、女性ならではの視点と気配りを特徴としており、男性と比べると長期的な視点での提案に優れています。

例えば、生活の動線に合わせた機能面の考慮だけでなく、光熱費をはじめとする経済的な側面や環境に優しい素材の選択、省エネルギー設計など、持続可能で快適な住環境を実現するための提案をすることが強み捉えられることが多いです。
建物の使い勝手を向上させると同時に、長期的に見た場合のコスト削減にもつなげることができるでしょう。
女性の建築士は、細やかな気配りと将来を見据えた提案で住まいづくりの新たな価値を提供することができるのです。。


強み・メリット④:
細やかな気配りで相談しやすい

女性の建築士は、細やかな気配りと高いコミュニケーション能力で、相談しやすいことも魅力の一つです。

打ち合わせの際には、クライアントの細かなニーズにも耳を傾けて寄り添い、相談しやすい環境を作ることができます。また、女性の建築士は女性側の気持ちにも気づきやすく、女性は相談しやすいというメリットを得られるでしょう。
このような相談のしやすさは、満足度の高さにもつながる重要なものであり、女性建築士ならではの大きな強みになっています。

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女性建築士は大変なイメージがあるのはなぜ?

女性建築士ならではの強みとして、女性目線での設計やデザインが挙げられますが、一方で、女性建築士特有の、大変な部分もあるでしょう。

では、女性建築士が仕事をする上で大変なことは、何なのでしょうか。


体力・精神力

建築士は、設計やデザインをするだけではなく、実際に工事現場に出向き、工事がスムーズに進んでいるかを確認する役割があります。

このため、一般的に体力で男性よりも劣ることの多い女性は、大変な思いをしやすい可能性があります。

また、裁量労働制である場合もあり、体力的・精神的に大変だと感じることもあるでしょう。


男性社会でのコミュニケーション

建設業界での女性の割合は約20%、一級建築士の登録者のうちの女性の割合は、約13%です。

このように男性の多い業界で、女性が上手くコミュニケーションをとって立ち回るのは簡単なことではありません。

男性社会ならではの業界で女性が働くことが、女性建築士の大変な点です。

男女の差がなくなってきている傾向があるとはいえ、0になっているわけではないため、男性社会で差別を受けないように注意することも大切です。


結婚・子育てとの両立

女性だけが、家事や子育て行っているわけではありませんが、現状も、結婚や子育てで女性に負担がかかりやすい状態です。

特に、出産をする際は、どうしても産休を取る必要があります。

このように、結婚や出産、子育てと、仕事を上手く両立することは、男性よりも女性の方が大変でしょう。


日本で有名な女性建築士・建築家は?

ここでは、有名な女性建築士・建築家について3名紹介します。

永山 祐子さん

永山祐子さんは、国内外の大型プロジェクトで活躍しており、注目を集めている女性建築家です。

昭和女子大学を卒業後、青木淳建築計画事務所を経て独立し永山裕子建築設計を設立しました。2020年からは、武蔵野美術大学の客員教授も務めています。手がけた建築は、LOUIS VUITTON京都大丸店や豊島横尾館、女神の森セントラルガーデン、ドバイ国際博覧会 日本館などがあります。永山祐子さんの作品は、都市と自然、歴史と現代、建築と芸術などの対照的な要素を統合することで、独自の空間表現を生み出しており、女性建築家の1人として世界的に注目されています。

妹島 和世さん

妹島和世さんは、妹島和世建築設計事務所とSANAAの共同主宰者で、世界で幅広く注目を集めている女性建築家です。

日本女子大学で建築を学び伊東豊雄建築設計事務所に入った彼女は、その後、妹島和世建築設計事務所を設立。そして、西沢立衛さんとともに共同設計事務所SANAAを立ち上げ、国内外で多くの建築を手掛けています。妹島和世さんの作品は、曲線やガラスなどを用いた開放感のある、周囲の環境に溶け込むような建築が特徴であり、代表作には金沢21世紀美術館、ルーヴル・ランス美術館、すみだ北斎美術館などがあります。

乾 久美子さん

乾久美子さんは、公共建築や住宅、内装など多様なジャンルの設計を行う女性建築家です。

東京藝術大学とイエール大学で建築を学んだ後、独立して乾久美子建築設計事務所を設立し、2016年からは横浜国立大学の教授として後進の指導にもあたっています。乾久美子さんは建築を行うことで、元々その場所にあった魅力を引き出すことを大切にしており、見えないデザインに重きを置いています。代表的な作品には、新八代駅前モニュメント、アパートメントI、みずのき美術館、エンクロスなどがあり、幅広く活躍しています。


建築士は、創造性が求められる分野で、女性建築士もその能力を存分に発揮し、活躍しています。
日建学院は、建築士を目指し活躍していきたいと思う全ての人に対し、実践的な学びと成長を支援しています。

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建築士を目指すなら日建学院で対策

日建学院は建築士の対策講座を開講しています。
一級建築士から二級建築士まで幅広く対策講座を開講しています。

通学の講義に加えWebでの映像講義も実施しているため、通えない地域に住んでいる方や日々の仕事が忙しい方でも講義を受けることができます。
また映像講義の質が非常に高く、通常の生講師による指導よりも合格率が平均10%程度高いというデータもあるため、一般的な動画講義よりも成果として表れていることがわかります。
また、オリジナルテキストから、日々の宿題や対策用のテキスト、問題演習用のテキストなど用途に合わせて様々な教材が用意されているのも日建学院オリジナルテキストの強みです。
女性で建築士を目指している方、是非一度、日建学院の建築士対策講座について「受講相談」を利用してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

建築業界は、女性が少ない業界です。
建設業界での女性の割合は約20%、また、一級建築士の登録者のうちの女性の割合は、約13%しかありません。

このような業界でキャリアを築く場合、結婚や子育てとの両立や、男性社会でのコミュニケーションなど、大変なポイントが多くあります。
一方で、女性が少ないからこそ、女性という強みを活かせる部分も多くあり、やりがいのある職種であることがわかります。

また、少子高齢化により、建築士の人数が減少し、今後の建築士の需要が高まることも考えられます。
これにより、女性建築士の需要も高まるため、さらに女性建築士を目指すのも良いでしょう。

建築士は、プロのサポートを活用し、効率的に試験対策を進めないと、合格することが難しい資格です。
女性建築士を目指す方は、建築士試験対策のノウハウを保有しているプロの講座やアドバイスを取り入れて、試験までの対策を行うのが有効です。

お気軽にご相談ください

日建学院コールセンター

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